News | 2003年8月25日 11:52 PM 更新 |
PSPとPSXは「PS」という文字の与えるイメージ、そしてソニー・コンピュータエンターテインメント(SCE)の製品というところから、どうしても「ゲーム」をイメージしてしまうユーザーが多い。
PSPの存在が明らかにされたとき、多くのニュースでは「携帯版PlayStation」と紹介をしてきたし、PSXも「次期PlayStation」という捉え方としているゲームユーザーは多い。
PSPもPSXもゲーム機であることはきっと重要な要素であると思うし、多分そのことが普及への大きな足がかりとなるのは、事実なのだろうと思う。
ただ、SCEの発言や今回アクセストップになった久夛良木氏の記事、そして最近のソニー製品(記者の場合それは主にVAIOであるが)のコンセプトを考えてみると、「コンテンツプレイヤー」の優先度が最も高くなっていることは否定できないのではないだろうか。
本田雅一氏のインタビューに久夛良木氏は「名前も“PS”を付ける必要はなかった。ソニーブランドで発売するCoCoonシリーズの一つでも構わなかった」と答えている。
VAIOシリーズも今年の夏(というかボーナス商戦)シリーズから「テレビ」を最も重要なキーワードとしてアピールしてる。これまでもビデオデッキPCの元祖とも言うべきVAIO RZがあったわけだが、「記録して、それをもとに加工する」という能動的な使い方よりも、「いつでも便利に視聴する」といった受動的な方向に利便性を追求し始めたのが、今年のVAIOの特徴だ。
で、New CLIEのUX-50である。なかなか辛い意見が多いZDNet編集部で、「けっこういいんじゃないの」と発言した記者はいろいろと辛い思いをしていたりするわけだが、多分この評価の違いは、PDAを縦横無尽に使いこなしているほかの記者と、PDAをほとんど使いこなしていない記者で、UX-50の評価軸が異なっているからだろう。
記者はUX-50をPDAとしてではなく、完全に「携帯コンテンツプレイヤー」として評価している。ある程度のフレームレートと軽量化を実現しながらバッテリー駆動時間がけっこう長い。ネットワーク経由でムービーコンテンツを利用するなら、PHSでなく802.11b。スペックだけを見るならば、使えるプレイヤーではないだろうか。
でも、本田雅一氏のインタビューに答える吉田雅信氏(ソニーハンドヘルドコンピュータカンパニープレジデント)は、UX-50を「ビジネスに指向させた製品」と位置付けている。ビジネス現場で使うからキーボードを採用したのであって、ビジネス現場で使うから無線LANを採用したのだそうだ。
うーん、そうですか。やっぱりCLIEはエンターテイメントを極めて欲しいのですが、それでは商売にならないのでしょうかね。
[長浜和也, ITmedia]
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