News 2003年8月28日 06:52 PM 更新

MSのオルチン副社長が示すLonghornのタイムテーブル(1/2)

Microsoftプラットフォーム部門副社長ジム・オルチン氏は、Longhornの出荷目標は今も2005年と明言。Longhornから統一されるクライアント版とサーバ版のコード基盤、2004年リリースと噂されるWindows XP SP2についても言及した。

 Longhornは、MicrosoftがWindowsの次期バージョンに付けたコードネームだ。そして同社はWindowsやさまざまな関連製品について語る際、しばしば「Longhornのスケジュール」に言及する(6月6日の記事参照)。だが、同OSの出荷時期についての同社幹部の説明は、次第にあいまいなものになってきている。

 同社のプラットフォーム部門副社長、ジム・オルチン氏は先週、Computerworld誌の取材に対して、クライアント版Windowsの次期バージョンについて、まだ2005年中の出荷を目指していると明言した。また、同社のOS計画や来年リリース予定のWindows XPの次期サービスパックの背景にある考え方についても解説した。

 以下ではインタビューの抜粋をお届けする。オルチン氏へのセキュリティ関連のインタビューもこちらに掲載されている。

――Microsoftの上級副社長ポール・フレスナー氏は、ニューオーリンズで開催された貴社のTechEdカンファレンスで、クライアント版Longhornの目標出荷時期を2005年、サーバOSの次期バージョンについては「2006+」としたスライドを映しました(6月3日の記事参照)。まだ開発の初期段階とは思いますが、これらはいつ出荷されるのか、同期されるのかどうかについて、現時点ではどのように考えていますか?

オルチン 確かにまだかなり初期の段階です。われわれが取り組んでいる全体的な計画については、考え方のレベルで話しますが、それらの製品がいつ出荷されるか、同期されるかに関して言えば、それまでに多くのことが起こるはずです。遠い先の話であり、今はまだ開発があまりに初期の段階です。考え方としては、われわれはできるだけ長い間、コード基盤を同期させておこうと考えています。そうすることで極めて高い効率性が見込めますし、率直に言って、顧客の利益にも最もかなうと思います。

 われわれはWindows XPに続いてWindows Server 2003を投入したわけですが、現在われわれには、顧客向けに扱わなくてはならないコード基盤が2つあります。このため、例えばサーバチームがまだWindows Server 2003の仕上げにかかっていた時期に、クライアント版Longhornの開発作業を進めなければなりませんでした。そこでわれわれは、Longhornではコード基盤を1つにして、クライアント版とサーバ版でできるだけ長い間統一していこうとしています。今言えることはこのくらいです。

――サーバ版で追加テストが必要になる点や、クライアント版とサーバ版で機能的に違ってくる点はありますか?

オルチン それはすべて技術的な理由によります。例えば、われわれは新しいイベントシステムの開発に取り組んでいますが、それは管理のしやすさが今後の重点事項の中でも目玉になると考えているためで、クライアント版とサーバ版のそれぞれにその要素を盛り込まなければなりません。現在、われわれはテストの見地から、開発チームにこうした部分を共通のコードで記述するよう求めています。コードを同期させておくメリットは多岐にわたります。β版のリリースや、プログラムのテスト、開発者へのメッセージ伝達といった点での相乗効果もあります。ただ、クライアント版とサーバ版のリリース時期が違えば、コード基盤は少し違ったものになります。

 しかし、最終的にやむを得ずコード基盤を同期させられなかったとしても、この世の終わりだなどとはまったく思いません。クライアント版とサーバ版を同時に出荷しなかったとしましょう――土壇場でへまをしたためではなく、サーバ版ではより多くの構成についてより徹底したテストを行おうと決断した結果、あえて同時に出荷しないという可能性は高いと言えます。その場合は、クライアント版のサービスパックでコード基盤が同期されるようにします。

――コード基盤が1つであることが本当に重要なのは開発段階だけでは?

オルチン 顧客にとっても、サーバ版やクライアント版など何にでも適用できるサービスパックが1つのメディアで手に入るのは、非常に好ましいことだと思います。コード基盤の観点から調整できれば、サービスパックはずっとシンプルなものになります。そうなれば、例えば仮想メモリシステム――自動調整システムの1つで、メモリが4Gバイトのサーバ上でも、メモリがごく少量のクライアント上でも搭載メモリ量を認識します――にバグがあった場合、クライアント版でもサーバ版でも1つのサービスパックで修正できます。顧客はこうした膨大なメリットの恩恵を受けることができます。

――サービスパックの話が出ましたが、Windows XPの2つ目のサービスパック(SP)が2004年にリリースされるというのは本当ですか?

オルチン 計画が変わらなければリリースされるでしょう。ただ、計画の変更を促す要素は多々あります。SP1のときは、特に訴訟の和解条件が変更の要因になりました(2月5日の記事参照)。

――クライアント版とサーバ版のサービスパックを共通化するメリットについて説明がありましたが、クライアント版であるWindows XPの次のサービスパックは、Windows Server 2003のサービスパックも兼ねたものになるのですか?

オルチン いいえ。両OSのコード基盤はかけ離れているため、同期することはできないのです。この2つの流れは今のまま継続させていきます。考えを変える可能性も常にありますが、今のところ、Longhornを出すまでは2つのコード基盤を維持していくつもりです。

――Windows XP SP2には、バグやセキュリティの修正プログラムだけが含まれるのですか? あるいは新しい機能も盛り込まれるのでしょうか?

[Carol Sliwa, Don Tennant & Mark Hall, IDG News Service]

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