News 2003年9月22日 07:44 PM 更新

WPC EXPO 2003“落ち穂拾い”レポート
幕張の片隅で君はEfficeon搭載機を見た……か!?(1/3)

WPC EXPOでは、見落とされている情報もまだまだあるようだ。ふとしたところで「Efficeon」搭載機の情報を見かけたり、意外なブースで「桜花」を見つけたり。ついでにパワーアップされたMSXコーナーの話題もお届けしよう。

 いつもは“価格ウォッチャー”としてアキバを巡ったりと、のんきにやっていることの多い筆者だが、WPC EXPOは必ず一つ二つは面白い展示があるので、毎年行くことにしている。

 今年も最終日にのんびりと行ってみたが、一部のブースが初日の展示からアップデートしていたり、ごく一部に非常に面白い情報があった。ごく私的におもしろく、他のメディアではレポートされていないものを紹介したい。

世界初のEfficeon搭載マシン(情報)を意外なところで発見!!

 今回個人的に大ヒットしたのが、台湾AMTEK SYSTEM社のTablet PC「iTablet」だ。12.1インチという大型液晶を搭載したピュアタブレットタイプの製品となっており、細かい箇所の仕上げも悪くない。

 これはいいかも……と思ってカタログを見たら、驚いた。なんとこの機種には「T01」と「T120」の2シリーズがあり、T120の搭載CPUは「Astro TM8000」と書いてあるではないか。つまりこの機種は(正式発表ではないものの)世界で初めて公にされたTransmeta社の新CPU「Efficeon」搭載機――ということになる。


展示機種はT01(TM5800搭載モデル)だったが、仕上げなどは非常に優れていたのが印象的。ヨーロッパ市場では既に発売されており、人気製品だという


これが問題のスペックシート。12.1インチクラスといえど、本当にTablet PCに1.5GHzが載るのだろうか……?

 それだけでなく、Efficeonは異様なまでに情報が出てきていないCPUなので、周辺情報が公開されたこと自体、世界初(のはず)だ。筆者は慌ててブースの担当者にT120の展示機はないのか、と訪ねたが、残念ながら「まだ用意できていない」とのことだった。うーむ残念。

 キャプチャーしたカタログを掲載する。確度は不明なもので、あくまでも参考情報としてみてほしい。CPUクロックは1.0〜1.5GHz。事前より噂のあった1GHzの大台は守られるようだ。IntelがTablet PC用として位置付けているCPUがULV(超低電圧版)CPU、つまりTDP(熱設計電力)7W前後の製品であることを考慮すると、将来的には同クラスのTDPで1.5GHz版が登場する……とも読める。本当であれば、かなりアグレッシブだ。

 また、メインメモリは速度不明ながらDDRで最大1Gバイトまで搭載可能と、こちらも事前の噂を証明する格好となっている。

 そして驚くのがビデオチップ。NVIDIAの“Map17”とビデオRAM32Mバイトを搭載すると記されているからだ。つまりこれは、GeForce4 440 Go相当のビデオ機能が搭載される、という意味になる。これが1週間早ければ「ネタでしょ」と言ってしまいそうな話だが、NVIDIAが9月17日にEfficeon用チップセット「C8000」を発表したことで、これは非常に確度の高い情報となった。

 このクラスのPentium M搭載機のビデオ機能はほとんどがi855GM(E)チップセット内蔵となっていることを考えると、ことビデオ周りの速度に関しては、Efficeon搭載機が大きくリードしそうだ。

 さすがに他社の動向は分からないものの、正式に登場した暁には、少なくともTablet PC最強の性能を持つ機種であることは間違いない。

HDDケースはNAS化と小型化へ?

 次は個人的な注目ジャンルである、パーツ系。まずは面白かったのが、GeILの高速DDR DIMMが、初日のPC4200 DIMMからPC4500 DIMM(DDR570メモリ)へとアップデートされていたこと。

[橋本新義(オンサイト), ITmedia]

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