News:ニュース速報 2003年9月25日 06:10 PM 更新

ゼンリンがインクリメントPを提訴


 ゼンリンは9月24日、同社の住宅地図帳をインクリメントP(IPC)が無断複製して自社地図ソフトに利用していたとして、元データの廃棄と約12億6000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 ゼンリンによると、IPCは同社東北開発センターで住宅地図帳を無断で複製した上、ゼンリンのPC用地図ソフトを1本だけ購入し、約200台のPCに送信できるようにしていた。これらはIPC元社員の情報からゼンリンが盛岡地裁に証拠保全を申し立て、同地裁が調べたところ分かったという(関連記事を参照)。

 ゼンリンは「IPCは無断かつ大量にゼンリン住宅地図などを日常的に複製していた上、情報を流用して地図ソフトを制作していたと判断した」として提訴に踏み切ったとしている。

 訴訟では損害賠償のほか、地図の無断複製の差し止めとIPCの元データの廃棄などを求めている。地図の無断複製は著作権法違反だが、地名などを他社製地図から流用しても著作権侵害とはならないため、データの流用については「他社の知的資産や労力にただ乗りして競合品を制作・販売する行為は、公正な競争に反し、法的保護に値する営業活動を侵害するもの」として民法の不法行為に当たるとして提訴した。

 インクリメントPは「地図データベースがゼンリンの著作権を侵害している事実はない。独自の調査や公的情報などを活用してデータベースを制作している」と反論、争う構えだ。

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