News | 2003年10月20日 10:15 PM 更新 |
夏から秋の季節の変わりめに、日本の誇るべき文化「年賀状」商戦を見据えてプリンタメーカーが大掛かりな発表会を催すのが恒例となっているが、今年は「あやや」で派手に盛り上げたエプソンと「技術解説」で質実剛健にまとめたキヤノンと、まさに対照的な演出となったのが印象的。
タレントさんが登場すると、記事のタイトルアイコンに「プリンタ」よりも「タレントさん」を選んでしまうのは、Webページの見た目を考えると避けがたいところであって、取材した記者が男性だから、というわけでも「あやや」ファンだから、というわけでもない。
ほかのニュースサイトやニュースを見た感じでも、マスコミ露出対策という意味で、エプソンの「あやや」作戦は大当たりしたようだが、それが実際の売り上げにどれだけ貢献するかは、これからユーザーがどちらを製品を選ぶかにかかっている。
「写真画質で違いをアピールするのはもう限界だよね」とはだいぶ前から言われているが、とにかく今年のキーワードは「新しい特色インク」と「保存性」。
特色インクについては、本田氏の記事で興味深い考察が展開されているが、インクジェットプリンタの売り上げボリュームゾーンを構成する「普通の人々」は「とにかく数字の大きいほうが価値がある」と考えがち。となると「8色インク」を採用したエプソンが有利か。
数字のインパクトが大きいユーザーにとって、数字に表しやすい「保存性」も有効なキーワードになる。「つよインク」のキャッチフレーズとキャラクターでアピールするエプソンが「染料インクながら対光性で20年、対オゾン性で10年」とくれば、キヤノンは「アルバム保存100年、フォトフレーム保存25年」。
一見すると「数字の大きい」キヤノンが有利に見えてくるが、「あれは暗所保存のデータで、条件を揃えてテストするとエプソンのほうが保存性は高い」という声がどこからともなく聞こえてきたりして、どうもこの件に関して簡単に言及してはいけないようだ。
とりあえず、本田さんの記事にもあるように「簡単な取材やテストからでは、その答えは容易には見つからない」「追って完成度についてもレポートしたい」ということで、今のところはまとめておきたい。
[長浜和也, ITmedia]
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