News | 2003年10月23日 11:46 PM 更新 |
日本ギガバイトは、GIGABYTEとNVIDIAが新しい事業提携を結び、NVIDIAのGPUを搭載したビデオカードがGIGABYTEのラインアップとして登場したことを23日に発表した。
これまで、ATI製GPUを搭載したビデオカードを販売してきたGIGABYTEは、ATIとの協力関係を重視して、NVIDIA製GPUを搭載したビデオカードは扱ってこなかった。
しかし、今年になってNVIDIAのチップセット「nForce2」を搭載したマザーボードを発売するなど、NVIDIAとの関係を復活させる動きを見せ始め、ついに本命のビデオカードでもNVIDIAのGPUを扱うことになった。
日本ギガバイトは、ATI製GPUを載せた製品もこれまでと同じく扱っていく予定なので、同社のビデオカードラインアップにはATIとNVIDIAの両方が用意されることになる。当面、GIGABYTEが扱っていく両者の製品比率は「半々」となる予定。とくにどちらかにウェイトをおくことはしないと日本ギガバイトは述べている。
今回、GIGABYTEが明らかにしたNVIDIA製GPU搭載製品のラインアップは以下のとおり。
モデル名 | GV-N59128D-P | GV-N56X128D-P |
GPU | GeForce FX 5900 (NV35) | GeForce FX 5600XT (NV31) |
メモリサイズ | 128Mバイト | 128Mバイト |
RAMDAC | 400MHz | 400MHz |
DVI | Yes | Yes |
TV-Out | Yes | Yes |
Direct X | 9 | 9 |
モデル名 | GV-N52128D | GV-N52128T-P | GV-N4464D | GV-N4464T-P |
GPU | GeForce FX 5200 (NV34) | GeForce FX 5200 (NV34) | GeForce 4 MX 440-8X (NV18) | GeForce 4 MX 440-8X (NV18) |
メモリサイズ | 128Mバイト | 128Mバイト | 64Mバイト | 64Mバイト |
RAMDAC | 350MHz | 350MHz | 350MHz | 350MHz |
DVI | Yes | No | Yes | No |
TV-Out | Yes | Yes | Yes | Yes |
Direct X | 9 | 9 | 8.x | 8.x |
ここにきて、NVIDIA一辺倒だったASUSTeKがATI製チップを搭載した製品を扱うようになるなど、チップベンダーとメジャーパーツベンダーの関係に大きな変化が出てきている。
この理由として、ATI、NVIDIA、ASUSTeK、GIGABYTEそれぞれにおいて、チップの供給などで問題があったことがあげられている。
ASUSTeKとNVIDIAについては、GeForce FX5800 Ultraのカード供給において、NVIDIAが供給した数量が事前に取り交わした約束よりもかなり少なく、そのため「ビジネスチャンスを喪失した」とASUSTeKの幹部が公式な場で不満を表明するほど、関係が悪化していた。
そのASUSTeKは、今年後半になってマザーボード用チップセットやビデオカードでATIと関係を結び、それをプライベートイベントなどで大々的に発表している。
GIGABYTEの関係者によると、それまで長年にわたって協力関係を築いてきたATIが、よりによってライバルであるASUSTeKと業務提携を結び、ビデオカード市場にASUSTeKブランドのATI製GPUカードが参入してきたことに対して、GIGABYTE社内では、ATIに強い不満の声があがっているらしい。
このように、今回のGIGABYTEとNVIDIAの提携は、「ATIよりNVIDIAが製品として優れている」という理由より、パワーゲーム的事情が大きく影響しているようだ。
「ユーザー不在」という声もあるかもしれないが 、とにかくPCパーツ市場が沈滞化しているなか、業界再編が大きく進みつつあることを示す、典型的な出来事と見ることができるだろう。
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[長浜和也, ITmedia]
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