News:ニュース速報 2003年10月31日 10:53 PM 更新

太陽フレアによる磁気嵐、まだ警戒が必要


 通信総合研究所(CRL)は10月31日、太陽フレアによる磁気嵐で通信・精密機器に影響が出ていると報告した。現在は収まっているが、回復過程で大きな変動が起こる場合があり、GPSや航空無線、漁業無線などに影響が出るおそれがあるとして注意を呼び掛けている。

 太陽フレアは太陽表面で起きる大爆発。現在の太陽表面には巨大な黒点が活動しており、10月28日から断続的に太陽フレアが発生し、その影響で大きな磁気嵐が起きた。

 CRLによると現在、太陽風磁場は北を向いているため磁気嵐の影響は小さいが、太陽風が毎秒1000キロと速く、太陽磁場も20ナノテスラと強度を保っているため、太陽風磁場が南向きに変化した場合には磁気嵐が発達する可能性があるという。

 CRLは磁気嵐などの発生を予測する「宇宙天気予報」に取り組んでいる(関連記事を参照)。CRLは、太陽の自転で黒点が太陽面の裏側に回り込む11月5日ごろまでは警戒が必要だとしている。

 今回の太陽フレアの影響で、2002年12月に打ち上げられた環境観測技術衛星「みどり2号」が機能停止するなどの被害が出た。



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[ITmedia]

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