News | 2003年12月12日 08:04 AM 更新 |
これまでのデュアルOSとは一線を画し、タスク間通信や排他制御といった互いのOSの割り込み処理同期が可能な点が特徴。単純にT-Kernelの1タスクとしてWindows CE.NETが動いているわけではないので、Windows側のスレッドの取りこぼしといったこともない“実用的な共存環境”になっている。
「高いハードリアルタイム性を誇るT-Kernel上で、Windows CE.NETならではのマルチメディア性や優れたユーザーインタフェースが欲しいというニーズに対応できる。双方のOSで蓄積された得意分野のミドルウェア資産を有効利用し、開発期間の大幅短縮も図れるのがメリット」(ブース担当者)
「デュアルOSによる分散処理で、動作も快適になる。例えばビデオカメラに搭載すれば、タッチパネルなどUIはWindows CEで処理し、オートフォーカスやガンマ補正など光学系処理はT-Kernelに任せるといったことで、製品自体がサクサク動作する。そのほか、カーナビにブラウザを搭載するといったマルチメディア機能の付加も簡単で、開発期間の大幅短縮が期待できる」(ブース担当者)
JavaもLinuxも
TRONSHOW開幕を目前にした12月10日には、T-Engineフォーラムとサン・マイクロシステムズからT-Engine上へのJava実行環境の実装完了が発表された。T-EngineプラットフォームへのJava実装によって、アプリケーション開発環境の統一化や開発効率の向上などが期待できる。
以前からJavaとT-Engineとの融合に取り組んできたアプリックスのブースでは、携帯電話やデジタル家電に使われている組み込み向けJavaプラットフォーム「JBlend」をベースにしたT-Engine上のJavaソリューションを紹介していた。
来場者の注目を集めていたのが、コンセプトモデルとして参考展示された「Motion Watch」。“時計自身が着替える”というコンセプトから、時計の盤面を液晶ディスプレイ画面で構成。携帯電話と同じように盤面のデザインをJavaアプリケーションとしてダウンロードし、ユーザー好みの時計に仕上げることができる次世代時計だ。
システムとしては、JBlend(micro)とJavaプロファイルであるMIDP(Mobile Information Device Profile)をT-Engine上に実装し、T-Engineボードに接続された小型液晶ディスプレイを腕時計の盤面に見立てている。
「携帯電話のJavaアプリのように、時計の盤面デザインをダウンローダブルなコンテンツにしたのがポイント。有名デザイナーの盤面デザインをダウンロードしたり、自分で作ったデザインを公開したり交換し合うといったことが可能になる。このようなユニークな発想をすぐに具現化できるのもT-Engineのメリット」(ブース担当者)
JavaやWindowsとの融合だけでなく、今年3月にはMontaVista Softwareから組み込み向けLinuxのT-Engineへの移植が表明されるなど、T-Engineプロジェクトではミドルウェア環境でのボーダレス化も積極的に推進。TRONSHOWの展示会場では、モンタビスタソフトウェアジャパンなどが、T-Engineボード上でLinuxを動作させるデモンストレーションを行っていた。
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[西坂真人, ITmedia]
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