News 2003年12月27日 02:02 AM 更新

2003年末、IT戦士志願者の主張(全文)


 京大卒で米国ベンチャー企業でのインターン経験ありとのふれこみだったはずの新人記者O。

 甲子園から徒歩10分のところに実家があるという新人記者O。

 阪神タイガースが日本一を逃した夜、「まあ悔しいのは分かるが、こんな時こそ記事の数字とかは間違えるなよ」とクギをさした私に渡したグラフィックスカードの原稿で「直径60センチのファン」「直径50センチのファン」と単位を間違えていた新人記者O。

 ビスケたん抱き枕のモデルに使われて「楽しい……」とつぶやいた新人記者O。

 せい惨な「線メリ」の記事の感想として届いた読者からの熱烈なメールに「きゃーウレシー」と一人はしゃいで周囲を沈黙させた新人記者O。

 「おい、今年ウチで書いたバカ記事まとめておいて」と指示したら以下のようなバカ記事をもう1本追加してしまった新人記者O。

 「今年6月に編集部に来るまで、記者は「USB」の意味すら知らなかった。それが半年経ったクリスマスには一人でUSBツリー「線メリ」を分解するなんて、どこで足を踏み外してしまったのだろうか。検証する。

 配属の直前見た段ボール製のロボット型PCケース「桜花」の記事。まだIT戦士でなかったあの頃、興味に駆られ、桜花を見るために初めて秋葉原に行った。思えばあれが全ての間違いの始まりだったのかもしれない。

 配属直後、ロジクールの調査によって「異性にまじめに受け取ってもらえずなかなか結婚できない」と結論づけられた。案の定、クリスマスも一人だったわけで、この調査は当たっていようだ……。

 夏には映画「ターミネーター3」が公開、それに合わせて「女ターミネータ型マウス」が発売された。骸骨のようにごつごつした銀色のボディは到底女には見えなかったが、「女ターミネーターと女IT戦士ってどっちが強いだろう」とよくわからないことを考え出していたあの頃の記者は、IT戦士としての自我の芽生えを感じていた。


ウェンディちゃんを取材する新人記者O

 ネットランナーがトレカを出すなどいろいろやってくれたおかげで、「萌え」という言葉を学んだ。「ハァハァ」などの2ちゃん用語が日常会話に出る編集部に面食らっていたもんだったが、今となっては友人に「萌え」の意味を熱く語れるほどになってしまった。成長したものだ

 来年から私たちはITmediaに変わる。その広告塔の役割を果たしたのがITちゃんだった。覚えたての「萌え」キャラを描いてみようと深夜のファミレスで苦闘したのが思い出深い。ITちゃんは何の前触れも必然性もなく他記事にも登場し、堅い誌面にしばしば彩りを添えてくれた。

 半年間、IT戦士修行に明け暮れる毎日だった。おかげでUSBの意味どころか、犬を見て「もしや犬型ロボットか?」などと疑えるほどに正しいIT精神も身に付けた。来年は、ソニーのQRIOとでもお友達になるか、自分がロボットの中に入るか、それがかなわないならばせめて頭に液晶をつけるくらいして、ITのすばらしさを世界に訴えたい。」


「ここまでやれとは言わなかったぞ」と担当者が頭を抱えた新人記者Oのセルフポートレート

[新人記者O&鬼軍曹K, ITmedia]

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