News:ニュース速報 2001年12月21日 07:02 PM 更新

アキバに帰る「T・ZONE.」,“他と競合するPC小売業態から撤退”

 CSKは12月21日,子会社でPC量販店「T・ZONE.」を展開するCSK・エレクトロニクスを投資会社のヴィーナス・ファンド(東京・中央区)に売却することを発表した。ヴィーナスは「T・ZONE.」を“秋葉原トレンド”にマッチした業態に転換する。

 CSKが持つCSKエレの発行済み株式総数の82.76%,9639万5800株すべてを,ヴィーナスが管理する投資事業組合がTOBで取得する。買付価格は10月31日時点での1株当たり純資産価額を基準にする。TOBは2002年2月から3月上旬までに行う予定。

 ヴィーナスはCSKエレについて,「従来の戦略を根本から見直し,ブランド再構築を通じた事業内容の徹底的な変革を行う」としている。具体的には,他の大手家電量販店と競合,苦戦が続くPC小売業態から撤退し,「T・ZONE.発祥の地である秋葉原のトレンドにフィットした小売事業に絞り込む」という。

 CSKエレは秋葉原に「T・ZONE.」ブランドのPCパーツ店を開店して好調。今後は同様の業態に転換していく可能性がある。

 CSKエレは亜土電子工業として1975年8月に東京・新宿で創業,1977年に秋葉原に本社を移した。電子パーツ販売から「T・ZONE.」ブランドのPC販売へと軸足を移した。1995年3月のCSKの資本参加後,PCブームに乗って各地に出店攻勢をかけたが,家電量販店が軒並み“PC量販店化”して競合が激化していた。「T・ZONE.」は現在,東京や大阪などに合計15店舗を展開している。

 CSKはこれまで資金,人材の両面でCSKエレを支援してきたが,CSKエレは2002年3月期も最終赤字と連続5期の赤字となる見通し。CSKは企業向けシステム構築サービスに事業集中を進めている最中で,CSKエレの経営再建にめどが立たない上,企業向け事業との相乗効果が低いコンシューマー向け小売事業は不要と判断,売却を決めた。

 CSKは11月,子会社のアスキーの経営権移転を決めており,21日には移転先のユニゾン・キャピタルと正式契約した。アスキーは経営権移転に関連して,「ユニゾンはアスキーを持株会社化した上で,店頭上場を廃止する可能性がある」と告知している。

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