AppBank、アプリ内広告ネットワークで成人向け広告配信を停止 「仕組みに不備あった」
AppBankがiPhoneアプリ内広告ネットワーク「AppBank Network」で、成人向け広告の配信を停止。特定のレーティングにのみ配信する仕組みに不備があったという。
AppBankは7月16日、同社が運営するiPhoneアプリ内広告ネットワーク「AppBank Network」で、成人向け広告の配信を停止したことを明らかにした。App Storeで「17歳以上」のレーティングに該当するアプリ向けに成人向け広告を配信可能な仕組みを開発者向けに提供していたが、それ以外のレーティングのアプリ向けにも配信されているという指摘が相次ぎ、広告配信の仕組みに不備があったという。
AppBank Networkは、iPhoneアプリ内に広告を配信するアドネットワーク。開発者はアプリ内に同ネットワークの広告を設置することで、無料アプリでも収益を得ることが可能になる仕組みだ。同社が提携するアドネットワーク「nend」(運営:ファンコミュニケーションズ)の広告も配信し、1クリックで7円以上が開発者に支払われるという。
同社によると、成人向け広告は(1)App Storeのレーティング「17+」(性的な内容などが含まれ17歳以上でなければ購入できない)に該当するアプリに対し、(2)アプリ開発者が成人向け広告を配信するように設定する(初期設定では配信されない)──ことでアプリに配信される仕組みだったという。
だが実際には、「17+」レーティングに該当しないアプリに対しても成人向け広告が配信されているという指摘が数多くあったという。同社は「実際に用意した仕組みに不備があったことに原因がある」として、成人向け広告の配信を停止し、アプリユーザーや開発者に謝罪した。
今後、17+アプリのみに成人向け広告が配信される仕組みづくりについて検討するが、成人向け広告自体の配信をしないことも検討するという。「iPhoneユーザーの皆様が安心して利用できる広告配信のために努力して参ります」としている。
スマートフォン向け広告をめぐっては、Togetterのスマートフォン版サイト上部に性的な内容の漫画配信サイト広告が表示されるとして批判されている。こうした広告はクリック率が比較的高いという指摘もある。
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