KDDIとソフトバンクが「4G LTE」開始 KDDIはテザリング解禁「最強のスマホネットワークに」
KDDIとソフトバンクモバイルがLTEサービス「4G LTE」を9月21日にスタート。KDDIはテザリングにも対応する。
「最強のスマホネットワークになる」――KDDIは9月14日、LTEサービス「4G LTE」を9月21日に開始すると発表した。スマートフォンをWi-Fiルータ化できるテザリングにも対応。当初から政令指定都市など全国の主要都市をカバーし、来年3月までに人口カバー率96%を実現する。スタート時点の対応機種は明らかにしていないが、21日発売のiPhone 5から対応するとみられる。
ソフトバンクモバイルも「SoftBank 4G LTE」を21日にスタートすると発表した。来年3月末までに政令指定都市100%カバーを目指す。
KDDI、ソフトバンクモバイルの開始で携帯電話4事業者のLTEサービスがそろい、競争が本格化する。
KDDIはテザリング解禁
4G LTEの基本料金は月額980円、ネット接続サービスが同315円、パケット通信量定額サービス「LTEフラット」が同5985円(月間のデータ通信量が7Gバイトを超えた場合、通信速度が128kbpsに制限される)で、合計の月額利用料は7280円。テザリングを使う場合はさらに525円かかる(月間データ通信量の上限に500Mバイトがプラスされる)。料金は他社と比べて安くはないが、月額1480円割り引かれる「auスマートバリュー」など割引サービスで値ごろ感を出していきたいという。
通信速度は下り最大75Mbpsだが、2013年には最大112.5Mbps、来年度中には「150Mbpsに拡大したい」と、同社の石川雄三専務は話す。スタート時は2.1GHz帯で対応し、12月までに1.5GHz帯と800MHz帯で対応。「3バンドを一気に拡大していく」という。CSフォールバック技術を採用し、音声通話の発信から着信までのスピードを向上させたほか、待受時の待機電力を省電力化。全LTE端末で3Gの「WIN HIGH SPEED」(下り最大9.2Mbps)にも対応し、「3Gも高速」とアピールする。
同社は昨年10月以来、11カ月連続でMNP純増ナンバーワン。転入の8割がスマートフォンという。当初は今年12月までにLTEをスタートとするとしていたが大幅に前倒し、高速なLTE網とつながりやすい3G網、「auスマートパス」など独自のサービスを武器にシェア拡大を狙う。
ソフトバンクはテザリング対応予定なし
ソフトバンクモバイルの「SoftBank 4G LTE」は下り最大75Mbps(一部エリアに限る。その他は37.5Mbps)。パケット定額はサービスとして定額5985円の「パケットし放題フラット for 4G LTE」と、定額2100円〜6510円(0.0525円/パケット)の「パケットし放題 for 4G LTE」を用意し、どちらかへの加入が必須となる。10月1日以降、利用データ量が7Gバイトを超えた場合、請求月末まで通信速度を上り/下りとも最大128Kbpsに制限する。
テザリング対応は「今のところやる予定はない」という。
「4G」?
LTE(Long Term Evolution)は従来、第3世代(3G)から第4世代移動体通信システム(4G)への移行期間をつなぐ高速規格として「3.9G」などと呼ばれてきた。ソフトバンクモバイルは「第3.5世代移動通信システム以上の技術に対しても4Gの呼称を認めるという国際電気通信連合(ITU)の声明に基づきサービス名称として使用しています」と説明。KDDI技術規格本部モバイル技術企画部システム戦略グループの松田浩路グループリーダーも、「欧米中心に4Gという名称が普及し、ITUも呼び方を変えたため」と説明している。
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