「LTEはドコモが発端」 下り最大100Mbpsサービス開始、東名阪は14年春から(1/2 ページ)
ドコモがLTEデータ通信「Xi」についてメディア向けに説明。2004年のコンセプト提案から7年にわたる技術開発の歴史や、エリア拡大への努力をアピールした。
NTTドコモは11月16日、LTEデータ通信サービス「Xi」(クロッシィ)の取り組みについて報道向け説明会を開いた。2004年のコンセプト提案から7年にわたる技術開発の歴史や、エリア拡大への努力をアピール。同日から全国の約10の地方都市で下り最大100Mbpsの高速通信サービスを始めるなど、スループット向上にも力を入れている。
「LTEはドコモが発端」 下り最大100Mbps、東名阪は14年春対応
「LTEは2004年、ドコモが発端となって始まった」と、同社の尾上誠蔵常務は話す。04年3月、3Gから4Gへのスムーズな移行を進めるため、「Super 3G」としてコンセプトを提案。国内外の有力ベンダーや通信事業者に働きかけて3GPPに正式提案し、同年12月にLTEの標準化がスタートした。3GPPへの企画提案文書数は通信事業者トップ。LTE技術の必須特許数も通信事業者でトップという。
商用サービスも他社に先駆け、2010年12月にスタート。「技術提案からやっており、フィールドデータもあるので、どのパラメーターをどう変えるとどう動作するかなどを理解しながら運用できる」(尾上常務)とアピールする。
スループット向上にも取り組んでおり、同日から新潟市、金沢市、松山市など約10の地方都市で、下り最大100Mbpsのサービスを開始。年度内に新たに発売予定の対応機種を利用すれば、下り最大112.5Mbpsのサービスを利用できる。100Mbps/112.5Mbps対応サービスエリアは順次拡大。東名阪地域は14年春に導入予定だ。
LTEの基地局数は今年度末に全国4000局に拡大(うち23区は約700局、京阪神は約350局)。3GからLTEへのマイグレーションも進んでいる。東京23区ではこの5カ月で、LTEのトラフィックが8割増加し、3Gは1割減少。3Gの周波数の一部をLTEにシフトすることで、Xiのスループットを向上させているという。
LTEから3Gへの高速ハンドオーバー技術はサービス開始時から提供。11年夏からは、3GからLTEの高速ハンドオーバー機能を導入し、12年冬モデル以降は全機種で対応した。3Gとのハンドオーバーのタイミングを制御することで、スループットを向上させる技術(下り30%、上り20%向上)の導入も始めているという。
山手線内のつながりにくさは「改善」
Xiは山手線内でつながりにくいという声もある。「確かに、山手線内でLTEの捕捉率が低かった時代があった」と岩崎文夫副社長は認めるが、ここ2カ月ほどで改善し、LTE捕捉率は96〜97%まで向上したという。
昨年末から今年初めにかけて通信障害が相次ぎ、11月14日にもspモードがつながりにくくなるトラブルで約270万人が影響を受けた。岩崎副社長は、「障害を繰り返さないように肝に銘じたい。国内で一番多くのお客様に使っていただいているだけに、他社以上に取り組んでいきたい」と反省を述べる。
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