任天堂の岩田聡社長は1月31日開いた経営方針説明会で、年明け以降販売が失速している据え置き型ゲーム機「Wii U」について、「価格的には製造原価に対して、かなり踏み込んだ価格でご提案しておりますので、値下げという選択肢は予定しておりません」と説明した。
携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」は発売から半年足らずで大幅に値下げを迫られており、「ニンテンドー3DSの反省を生かす」とも述べた。
Wii Uの販売は年明け以降に失速。「現状ではまだ製品価値をしっかりとお伝えできていないことがはっきりしましたので、じっくりと普及に取り組む必要があると考えています」と述べ、「起動や切り替えのスピード、初回アップデートに要する時間など、多くのご意見・ご要望をいただいていますので、これから春・夏の本体更新の中で、より魅力的なプラットフォームに改良していく必要があると認識しています」と改善に取り組むことを明らかにした。
ソフト不足との指摘に対し、今年後半から来年にかけて自社有力タイトルを集中的に展開し、ハード販売の牽引を目指すという。
これまで独立した本部だった携帯機と据え置き機の開発体制を統合。「フォームファクターや性能が異なっても、ソフトをつくるための作法がそろい、ソフト資産を相互に転用したり、OSや内蔵ソフトの移植性を高めたりすることを目的とする試み」で、「新しいハード発売直後に陥りがちなソフト不足やソフトの開発遅延を防ぐことにも有効」としている。
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