歌詞を入力するだけでボカロ曲を自動作曲 ヤマハ「VOCALODUCER」開発
歌詞を入力するだけで、「VOCALOID」の歌声と伴奏からなる楽曲を自動生成する技術「VOCALODUCER」をヤマハが開発。コンテンツプロバイダー向けに、今冬からSaaS形式で提供する。
ヤマハは10月21日、歌詞を入力するだけで、「VOCALOID」の歌声と伴奏からなる楽曲を自動生成する技術「VOCALODUCER」(ボカロデューサー)を開発したと発表した。キャンペーンサイトやゲーム、ソーシャルメディア用コンテンツを開発するコンテンツプロバイダー向けに、今冬からSaaS形式で提供する。
50文字以内の日本語歌詞(漢字・数字対応)を指定するだけで、2〜8小節程度の楽曲を自動生成する技術。歌声はVOCALOIDの歌声ライブラリから選択でき、ダイナミクスやピッチなど歌い方のパラメーターも指定できる。
メロディラインの生成には、J-POPの作曲ノウハウをアルゴリズム化した独自の技術を活用。「リズムパターン」(34種類)、「音高の変化」(34種類)、「コード進行」(16種類)のテンプレートの組み合わせ(合計約1万8000種類)を基に自動生成する。
今後、さまざまなテンプレートを追加開発するほか、テンプレートの組み合わせをグループ化したものを選択するだけで、「ラップ風」「ロック風」「有名アーティスト風」といった好みのメロディラインを簡単に生成できる機能も提供する予定だ。
伴奏の曲調は、ポップス、ロック、ダンスなど約30種類のスタイルから選べ、今後もさまざまなスタイルを追加する予定。同社の電子キーボード「PORATATONE」シリーズなどで定評のあるスタイルエンジンとソフト音源を採用した。
楽曲全体のテンポ(BPM)を事前に指定したり、できあがった楽曲全体にリバーブやコンプレッサーなどのエフェクトを適用することも可能だ。
SaaS形式でコンテンツプロバイダ向けに提供する。コンテンツプロバイダは、歌詞と作曲用のパラメータを記述したXMLファイルをネット経由で同社サーバーに送信するだけで、歌声と伴奏からなる“ボカロ曲”のオーディオファイルが生成され、ダウンロード用のURLが発行される仕組み。専用のWeb APIから利用でき、オーディオファイルの合成など高負荷な処理は同社サーバで行う。
今後、英語、中国語などへの対応も行う予定だ。
同社は2009年4月から、歌詞とメロディのデータを同社サーバに送るだけで歌声を生成できるSaaS型サービス「NetVOCALOID」を提供してきたが、伴奏やメロディラインはあらかじめコンテンツプロバイダーが用意する必要があった。VOCALODUCERでは歌声だけでなく伴奏・メロディラインも含めた“ボカロ曲”そのものが自動生成できるようになっている。
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