Amazon「Kindle連載」スタート 1度買うと最終話まで自動配信 まず18作品
小説やコミックをエピソードごとにKindleに配信する「Kindle連載」がスタート。一度購入するとその後1冊の本として完結するまで、新しいエピソードを追加料金なしで自動配信する。
アマゾンジャパンは10月25日、電子書籍ストア「Kindleストア」で、複数のエピソードから成る小説やコミックをエピソードごとに配信する「Kindle連載」をスタートした。一度購入すると、その後1冊の本として完結するまで、新しいエピソードを追加料金なしで自動配信する。第1弾として、作家の林真理子さんや漫画家のうめさんなどの18作品を配信する。
米国で昨年スタートした「Kindle Serials」の日本版。Kindleストアで作品を購入すると、新しいエピソードが追加されるたびにKindleに自動配信され、メールで告知が届く。途中から購入した場合は、初回からその時点の最新エピソードまでまとめて配信。直近のエピソードの最後に新エピソードが追加され、最終話が届くと1冊の本が完成する。作家が連載が中断するなど作品が完成しなかった場合は返金する。
ラインアップは、林真理子さんのエッセイ「美女入門パート12」(1200円)、Kindle本で自費出版したデビュー作が人気を集めたSF作家・藤井大洋さんの「UNDERGROUND MARKET ヒステリアン・ケース」(200円)、Kindleに初の日本語漫画を提供して話題になった漫画家・うめさんの「東京トイボックス 0」(400円)、今年著作権保護期間が切れた吉川英治さんの「宮本武蔵」(無料)など18作品。
作品数は当面は20前後を維持。連載が終了したら次の連載を始めるというイメージだ。サービスを一般ユーザーに開放する予定はない。
都内のアマゾン社内で開かれた新サービスの発表会で、藤井大洋さんは「Kindle連載は紙の連載と違い、物語が求める長さの作品を作れ、スピード感を持って更新できる。デジタルボーンの作品を世の中に出すプラットフォームとして、多様な作品がもっと出てくることを期待している」と述べた。
同社のジャスパー・チャン社長は「昨年10月25日にKindleストアをオープンしてから1周年のきょう、新サービスを紹介できてたいへんうれしく思う」とあいさつ。Kindleストアの日本語書籍は14万8000点以上に増え、売り上げも右肩上がりに伸びているという。
米国では07年にKindleストアを開始し、11年に電子書籍の売り上げ冊数が紙の本を超えた。日本ではまだ紙の売り上げの方が数倍大きいが、市場の立ち上がりは米国のKindleストアの初期よりも速く、今後数年で紙の本の売り上げを超える可能性もありそうだ。
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