スカウターで注文、天井にはバーチャル女子店員――六本木に出現した「未来のレストラン」を見てきた(3/3 ページ)
“スカウター”型のスマートグラスでメニューを選び、Kinectを使ってジェスチャーでバーチャル店員を呼ぶ――そんな「未来のレストラン」が六本木に出現したので、ちょっと未来に生きてきた。
Kinectに手をかざすと……天井にバーチャル女子店員が
展示の中でも特に異彩を放っていたのが、Kinectセンサーやプロジェクター、マイクなどを組み合わせて「天井に店員を呼び出せる」というこのシステムだ。
テーブル上に設置されたKinectセンサーに手をかざすと、プロジェクターで天井に投影されている画像に徐々に「雲」が集まってくる。雲がある程度集まると、その中に店員さんの姿が投影され、音声でやり取りしながら注文を聞いてくれる――という仕組みだ。
イメージとしては、“女神さま”に扮した女性店員を客がジェスチャーで呼び出すといったところ。注文するのが楽しくなるほか、将来的には店員を呼び出さずにジェスチャーだけでビールを注文するといったことも可能になるという。
「すぐには役には立たないが」――CTOが語る研究目的とは
この日展示された技術の多くは、実用性よりもユニークさが目立つものばかり。「正直、これらのサービスをすぐ世に出して役立てられるとは思っていません」とリクルートテクノロジーズの米谷修CTO(最高技術責任者)は明かす。
そもそも、なぜリクルートがこうした技術開発を行っているのか。米谷CTOは「当社のサービスは紙から始まり、PCやスマートフォンに対応してきた。そこで今、“次に主流化するかもしれない”と注目しているのがウェアラブルデバイスや音声入力、センサーデバイスなど。これらの技術が一般化した際、いち早く対応するために研究を行っている」と説明する。
今回のイベントも、それらの新技術の用途を探るアプローチの一環だ。展示した数々のサービスをそのまま正式ローンチするのではなく、業界関係者や一般の人々のフィードバックを受けて研究を加速させたい――そんな狙いでイベント開催にいたったという。
米谷CTOによると、同社がこうした形で研究成果のお披露目イベントを開くのは今回が初めて。「こんなにたくさんの来場者が集まってくれて驚いている。多くの人々からの意見を参考に、さらなる研究や実験に役立てていきたい」と米谷CTOは話している。
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