NTTの光回線卸売り・ドコモのセット割を容認 情報通信審議会 SIMロック解除の促進求める
総務省の情報通信審議会・特別部会がNTT東西の光回線サービス卸とドコモのセット割を容認。SIMロック解除の促進も求めた。
総務省の情報通信審議会の特別部会は10月8日、NTT東西地域会社による光回線のサービス卸を容認する報告書を承認した。NTTドコモが「FVNO」として固定+携帯のセット割を展開する道を開くものだ。
NTTグループは電気通信事業法に基づき支配的な事業者に指定されており、他社のようなセット割は規制されている。NTT東西の光回線のサービス卸は両社のB2CからB2Bへの転換となり、インフラを持たない事業者がNTT東西のインフラ上で「FVNO」(仮想固定通信事業者)として自社ブランドによるサービス展開が可能になり、ドコモは意欲を示している。
一方、KDDIやソフトバンクは「NTTによる独占への回帰」と強く反発していた。
情報通信審議会「2020-ICT基盤政策特別部会」の基本政策委員会は報告書で、NTTグループへの規制を緩和し、サービス卸は「世界最高レベルを誇る我が国の光ファイバー基盤を利用した様々なプレーヤーとの連携によるイノベーション促進を通じた多様な新サービスの創出や、光回線の利用率の向上に資するもの」として容認した。一方で、料金などの提供条件について外部の検証を含め透明性の確保が求められるとした。
また携帯電話市場について、一層の競争が必要としてMVNOの促進を求め、複数のキャリアのネットワークを利用したサービスの提供が可能な環境整備などが必要とした。
大手キャリアによる多額のキャッシュバックについてはキャリア側の自主的な適正化を求め、総務省は定期的に報告を求めるなどの対応が必要とした。
キャッシュバックの一因がSIMロックにあるとも指摘。SIMロック解除についてのキャリアからの反論には「解除に応じないことを正当化する適正性、合理性は認められなかった」とし、一定期間経過後のSIMロック解除を義務化することを確認。総務省には実効性の確保に向けた具体的な方針やスケジュールを明らかにするよう要請した。
また、端末に設定されているテザリング用APNが携帯キャリアのAPNに初期設定され、ユーザーによる変更ができないため、MVNOのSIMカードを使う際にテザリングを行えないケースが生じているとして、SIMロック解除の推進とともに関係事業者間の協議を進めるよう求めた。
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