Twitter、モバイルアプリ向け新SDK「Fabric」発表 パスワード不要の次世代認証「Digits」リリース
Twitterがモバイル開発者向けプラットフォーム「Fabric」を発表した。従来の埋め込みツイートや広告を一元管理できるほか、電話番号とSMSを利用した新たなユーザー認証機能などを搭載する。
米Twitterは10月22日(現地時間)、モバイル開発者に向けた初めてのカンファレンス「Twitter Flight」をサンフランシスコで開き、モバイルアプリ開発プラットフォーム「Fabric」を発表した。障害報告や広告管理などこれまで提供してきた開発者向けツールに加え、電話番号とSMSで認証・ログインできる新機能「Digits」も搭載する。利用は無料だ。
モバイルアプリ開発時に重要な(1)安定性を高める、(2)利用者を増やす、(3)収益化、(4)ユーザー認証――の4つの側面を網羅したという開発キット。これまで提供してきたAPIやOAuth、「Twitter Cards」などの埋め込み機能、障害報告ツール「Crashlytics」や広告管理ツール「MoPub」などを一元管理し、アプリ開発時に使える機能を数行のコードを追加することで簡単に組み込むことができる。
アカウント認証ツールとして、Twitterアカウントを使ったソーシャルログインに続き、電話番号を利用したログイン方法「Digits」をリリースした。国番号と電話番号を入力し、SMSで送られてくる認証コードを入力すれば新規アカウント開設が完了する。
個々の電話番号を“誰もが絶対に忘れない固有のアカウント”とし、複雑なパスワードはもちろん、どのSNSアカウントでログインしたかを覚えておく必要もなく、従来のソーシャルログイン以上に簡単に登録・ログインできるとうたう。セキュリティを強化できる上、Twitterを含む何らかのSNSアカウントとのひも付けが不要なのもメリットだ。サービス開始当初から216カ国28言語に対応し、ユーザー認証の新たなスタンダードとなることを目指す。
1年以上かけて開発に取り組んできたというFabric。「Crashlytics」「MoPub」など新興企業のサービスを買収・運営して得た知見やノウハウを生かし、全てのアプリ開発者が便利に使える包括的なプラットフォームを目指したという。
ディック・コストロCEOはイベントで、「Twitterはこれまでも世界中で多くの人をつなげてきたが“モバイルファースト”を念頭に置き、改めてユーザー、開発者、そして広告主に魅力あるプラットフォームとなるよう注力していく。Twitterというサービス自体のためだけでなく、開発者の要望を取り入れて広く便利に使ってもらえるよう育てていきたい」と述べた。
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