格安SIMの通信速度、大手キャリアと差 昼に顕著に速度低下
MMD研究所は、MVNO 10社が提供する格安SIMカードと、大手3キャリアの回線との間で通信速度に違いが出るか調査した結果を発表。格安SIMは朝、昼、夕でダウンロード平均速度の差が大きく、特に昼の速度低下が著しかった。
MMD研究所は4月23日、MVNO 10社が提供する格安SIMカードと、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクモバイルの大手通信キャリア回線との間で通信速度に違いが出るかについて、都内にある同研究所内で調査した結果を発表した。
格安SIMは朝、昼、夕で平均ダウンロード速度の差が大きく、特に昼の速度低下が著しかったが、通信キャリアは大きな差がなかった。アップロード速度は格安SIMも通信キャリアも大きな差がなかった。
調査は、ドコモ回線を利用した格安SIM「OCN モバイル ONE」「IIJmio」「b-mobile」「BIGLOBE LTE・3G」「U-mobile」「楽天モバイル」「NifMo」「ぷららモバイルLTE」と、au回線を利用した「mineo」「UQ mobile」についてそれぞれ、下り最大150Mbpsプランで実施。
ドコモ回線の格安SIMは「ZenFone 5」、au回線は「LUCE」に挿入し、通信3キャリアはiPhone 6を利用した。ダウンロード/アップロード速度の測定は「RBB TODAY SPEED TEST」アプリで行った。
4月9日、10日、13日〜15日の平日5日間のそれぞれ午前10時〜午前11時(朝)、午前12時〜午後1時(昼)、午後5時〜午後6時(夕)で各5回計測し、最大・最少の値を除く3回の平均値を記録した。測定場所は東京・恵比寿の同研究所事務所内。
午前の10時〜11時の時間帯では、通信キャリアのダウンロード平均スピードはドコモが18.0Mbps、KDDIが24.1Mbps、ソフトバンクが30.0Mbpsだった一方、ドコモ回線利用の格安SIMは、最も速いIIJmioで11.7Mbps、次がb-mobileで10.2Mbps。au回線利用のmineo、UQ mobileはともに10.0Mbpsだった。
回線提供元の通信キャリアと格安SIMのダウンロードスピードの差が最も小さかったのはIIJmio(ドコモとの差は6.3Mbps)、次いでb-mobile(同7.8Mbps)だった。
トラフィックが集中するといわれる午前12時〜午後1時の時間帯は、通信キャリアと格安SIMのダウンロードスピードに顕著に差が出た。ドコモ、au、ソフトバンクの3キャリア平均が27.6Mbpsだったのに対し、格安SIM全体の平均は1.8Mbpsと速度が大きく低下。UQ mobile(9.2Mbps)とb-mobile(3.3Mbps)以外は1Mbpsを切った。
午後5時〜6時は格安SIMによってダウンロードスピードに差が出ており、最も速かった楽天モバイルとUQ mobileが10.3Mbps、最も遅かったぷららモバイルLTEが0.5Mbpsと、9.8Mbpsの差が開いた。
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