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VR酔いを軽減し、臨場感を上げる電気刺激ヘッドフォン「Entrim 4D」
Samsungが、VR HMD「Gear VR」と一緒に装着すると動画と同期する内耳への電気的な刺激を与えることで臨場感を高め、VR酔いも軽減するヘッドフォン「Entrim 4D」のプロトタイプを披露した。
韓国Samsung Electronicsは3月14日、仮想現実ヘッドマウントディスプレイ(VR HMD)と併用すると映像の臨場感が増し、“VR酔い”も軽減できるというヘッドフォン「Entrim 4D」を発表した。まだプロトタイプで発売予定などは決まっていないが、米テキサス州オースティンで開催中の「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト) 2016」で、「Gear VR」と一緒に使う体験デモが行われた。
同社が「Galvanic Vestibular Stimulation」と呼ぶ、耳の前庭器官に電気的な刺激を与える仕組みとアルゴリズムにより、VR動画の画面と同期する刺激を耳に与える。
同社によると、この電気刺激は脳卒中の治療に使うものと同等で、人体に無害で安全という。デモ動画(記事末に転載)では、同じジェットコースターの動画を見る場合、Entrim 4Dを装着していると体全体が画面の動きに合わせて動いているのが分かる。
臨場感の高い映像を見ると、船酔いのような症状が出る「VR酔い」が起こることがあるが、この原因は目からの視運動情報と、内耳からの身体のバランス情報が矛盾することに起因するというのが通説になっている。
Entrim 4Dの電気刺激により、内耳に仮想の情報を与えることが結果的にVR酔い防止にもつながるということのようだ。
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