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日本でeスポーツが流行らないのは“おじさんゲーマー不足”? 協会理事に聞く(2/3 ページ)

ビデオゲームなどの腕を競い合う「eスポーツ」。海外で盛り上がりを見せる一方、日本ではいまいち――日本eスポーツ協会の馬場章理事に理由を尋ねた。

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日本は“おじさんゲーマー”不足?

 馬場教授によれば、海外のeスポーツ界はプロ選手をトップとする「ピラミッド構造」が成立しているという。「サッカーに例えるなら、国の代表選手を頂点にして裾野が広がっているイメージ。サッカーを遊びと考える人もいれば、頂点を目指したい人もいて、プロ選手になるための道のりが開けている」(馬場教授)。

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日本eスポーツ協会のサイトより。eスポーツは、戦型の戦略ゲームなどを長時間にわたり競い合う。

 しかし、日本のeスポーツは「頂点の存在」が知られていないばかりか、プロの世界が存在することすら世間に浸透していないのが現状だ。「日本でもプロゲーマーはいるが、eスポーツを支持する“ピラミッド構造の中間層”が存在せず、遊びとプロの二極化が進んでしまっている」(馬場教授)。

 日本のゲーム文化の特異さは、ゲーマーの平均年齢の低さからも見て取れるという。馬場教授によると、ゲーマーの平均年齢は米国が37歳、フランスが41歳なのに対し、日本は27歳と、10歳以上の差が開いている。

 日本人ゲーマーの平均年齢が27歳まで上がったのも最近だという。馬場教授はこの背景に「ソーシャルゲームブームが影響している」と分析する。

 スマートフォンなどでプレイするソーシャルゲームは、家庭内に限らず、通勤中など場所を選ばずに遊べる。課金制のシステムを採用していることも多く、金銭的な余裕がある中高年層がプレイしやすいのも特徴だ。その結果、平均年齢の上昇につながる。「プレイヤーの年齢が上がれば、意識も生活スタイルも変わるし、社会の中でのゲームの位置付けを変える可能性がある」(馬場教授)。

 一方、馬場教授は、ソーシャルゲームが国内ゲーム事情のガラパゴス化を加速させる可能性も危惧している。

 空き時間に遊べるソーシャルゲームに対し、eスポーツが取り扱うタイトルは、対戦型の戦略ゲームやスポーツをテーマに長時間で競い合うゲームが大半を占める。「ソーシャルゲームは欧米ではあまり普及せず、いわば“少数派の文化”。eスポーツの活性化という観点からすると、『日本だけのもの』は通用しない」(馬場教授)。

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