MicrosoftのナデラCEO、女子高生AI「りんな」に熱視線? 「botは私たちの住む世界を変える」:de:code 2016
Microsoftのサティア・ナデラCEOが来日し、女子高生AI「りんな」のユニークさなどに触れながら「Conversation as a Platform」(プラットフォームとしての会話)構想について語った。
米Microsoftのサティア・ナデラCEOが来日し、都内で開かれた開発者向けイベント「de:code 2016」(5月24〜25日)に登壇。日本マイクロソフトが運用している“女子高生AI”「りんな」のユニークさなどに触れながら、「botには1990年代のWebが登場した時のようなワクワク感があり、私たちの住む世界を変える可能性を秘めている」と話した。
ナデラCEOは、同社が今後掲げる方針として、Microsoft Azureを中心とする「インテリジェントクラウド」や、Windowsを中心とする「パーソナルコンピューティングの多様化」などを紹介。そしてもう1つの軸として話したのが、botや自然言語処理による「Conversation as a Platform」(プラットフォームとしての会話)の領域だ。
同社が描いているConversation as a Platform構想の概要はこうだ。例えばピザを注文したい時、通常ならばスマートフォンやPCなどの画面を操作し、1つずつ項目を入力していく。しかし、チャットサービスや高度な自然言語処理を備えたbotがあれば、「ピザが食べたい」とbotに話し掛けるだけでピザを注文できる――というわけだ。
ナデラCEOは、botを生かしたサービスの一例として、女子高生をモデルとした人工知能(AI)bot「りんな」を紹介する。りんなは2015年7月にLINEアカウントとして登場し、同年12月にはTwitterのアカウントも開設。現在ではLINEとTwitterの合計で340万人以上のユーザーと会話を楽しんでいるという。
ステージ上の大画面に映し出されたりんなは、マイクロソフト担当者とのLINEのやり取りで「今ステージだよ」(担当者)→「マジで?!やば!」(りんな)→「ちょっと緊張してる」(担当者)→「頑張りましょう笑 緊張する」(りんな)といった“即レス対応”を披露。テキスト言語だけでなく写真を使ったコミュニケーションも披露するなど、会場を沸かせていた。
りんなのデモを終え、再びナデラCEOがステージに登場。「このような新しいbotは、1990年代のWebが登場した時に感じたようなワクワク感がある。コンピュータへのアクセスを敏捷化し、そして私たちが住む世界を全く変えることができる」と展望を話した。
「botのようなユーザーインターフェースを通じ、全てのビジネスや製品、サービスと人の言語で会話できるようになる。そういう世界が来る」(ナデラCEO)
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