FBI、ヒラリー・クリントン氏の私用メール問題で訴追求めず
米大統領の民主党候補指名がほぼ確実になっているヒラリー・クリントン氏の国務長官時代の私用メール問題について、米連邦捜査局(FBI)が「訴追に当たらず」との判断を発表した。
米連邦捜査局(FBI)は7月5日(現地時間)、ヒラリー・クリントン前国務長官の私用メール問題についての調査の結果、米司法省(DoJ)に対し、この件についてはクリントン氏を訴追しないのが適切であると勧めるという結論に達したと発表した。
米司法省(DoJ)のロレッタ・リンチ司法長官は1日、クリントン氏を訴追するかどうかはFBIの捜査結果を基に判断すると発言しており、クリントン氏は訴追を免れそうだ。同氏は近く、民主党の大統領候補に指名されるとみられている。
この問題は、クリントン氏が2009年に国務長官に就任する前、自宅にサーバを設置し、在任中の公務に関するメールをすべて個人のメールアドレスとこのサーバを使ってやりとりしていたというもの。
FBIのジェイムズ・コーミー長官は、サーバを調べた結果、110通以上のメールが機密情報を含んでおり、そのうち7通は極秘に当たるものだったと語った。また、クリントン氏のメールに対するサイバー攻撃が成功した痕跡はなかったが、その危険性は高かったと指摘した。
コーミー長官は、「クリントン氏とその同僚が機密情報の扱いに関して意図的に違法行為をしようとした明確な証拠は見つからなかったが、彼らが非常に重要な機密情報を極めて不注意に扱った証拠はあった」と批判しながらも、これまでこうした件が訴追されたのは意図的な違法行為に限られてきたことなどを踏まえ、訴追は求めないという結論に達したと語った。
同氏は「この決定には外部からの圧力は何もない。(中略)事実だけが(結論に)影響している。FBIは完全に政治に無関係な、かつ専門的な方法でこの事実を解明した」とも語った。
この発表を受けて、共和党の大統領候補に指名されるとみられているドナルド・トランプ氏は自身のTwitterで、「FBI長官は悪党ヒラリーは国家安全を危険にさらしたが訴追はなしだと言った。わぉ。」「(メールで不倫が発覚してCIA長官を辞任した)ペトレイアスはどうなんだ。すごくすごく不公平だ! いつもどおり、ひどい判断だ」とツイートした。
クリントン氏は同日、ノースカロライナ州で選挙活動を行った。バラク・オバマ現大統領も応援に駆けつけ、「私がここにいるのは、ヒラリー・クリントンを信じているからだ」と語った。
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