Opera、ブランドを含む事業の一部を中国企業に6億ドルで売却へ
Opera Softwareが、中国企業のコンソーシアムに「Opera」ブランドやモバイルブラウザなどを含む事業の一部を6億ドルで売却すると発表した。
ノルウェーOpera Softwareは7月18日(現地時間)、中国企業のコンソーシアムに「Opera」ブランドを含む事業の一部を売却することで合意に達したと発表した。買収総額は約6億ドル。取引は第3四半期(7〜9月)後半に完了する見込みという。
中国のコンソーシアムはKunlun Tech、Future Holding、Keeneyes Future、Qifei International Development、Golden Brick Capital Private Equity Fund、Beijing Kunlun Tech、Qihoo 360 Software、Golden Brick Silk Road Fund Managementで構成されている。
両者は当初、Opera Software全体を約12億ドルで売却することで話を進めていたが、期限までに合意にいたらず、以下の事業のみ売却することになった。関連する従業員(約1100人)やサポートチーム、マーケティング事業も含まれる。
- モバイルブラウザ
- デスクトップブラウザ
- VPNサービスやデータ圧縮技術などのアプリ
- Opera TV以外の技術ライセンシング事業
- Operaの中国におけるジョイントベンチャーnHorizon
Operaに残るのは以下の事業。従業員数は約560人になる。
- Opera Mediaworks
- Bemobiを含むアプリやゲーム(主にアジアで提供中)
- Opera TV(スマートTV向けWebブラウザ)
Operaのブランドも売却するので、Opera Softwareは18カ月以内に新たな企業名を決定する。
Opera Softwareのラース・ボイルセンCEOは2016年末まで売却先のOperaと残る事業の双方のCEOを務め、それ以降はOperaのみのCEOになる。
Operaは1995年、ヨン・フォン・テッツナー氏が創業した。テッツナー氏は2010年に同社を去り、現在は新たなWebブラウザ企業Vivaldiを率いている。Operaは2015年8月から身売りを含む選択肢を検討していた。
米調査会社Net Applicationsの6月のデータによると、Operaのモバイルブラウザの世界でのシェアは6.24%の4位、デスクトップブラウザは1.63%の6位だった。
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