Operaブラウザの開発者版にネイティブな広告ブロック機能追加
Opera Softwareが、WindowsおよびMac OS X版のWebブラウザ「Opera」の開発者版をアップデートし、ネイティブな広告ブロック機能を追加した。ChromeやFirefoxに拡張機能を追加した場合より、読み込み速度が平均で45%高速化できるとしている。
ノルウェーOpera Softwareは3月10日(現地時間)、デスクトップ(WindowsおよびMac OS X)版Webブラウザ「Opera」の開発者版をアップデートし、ネイティブな広告ブロック機能を追加したと発表した。
ネイティブな、というのは、米GoogleのChromeやMozillaのFirefoxのような拡張機能としての追加ではなく、アプリ自体に組み込んだという意味だ。従来の拡張機能は、URLやページ内の要素がブロックリストに該当するかどうか判定するのに時間がかかっているが、Operaはネイティブなコードとアルゴリズムを採用したことにより、判定速度を大幅に削減したとしている。同社の調査によると、広告ブロック機能を有効にした場合、ページの読み込みがChrome+広告ブロック拡張機能(AdBlock Plus)の場合より平均で45%高速という。
使っているフィルターはAdBlock Plusと同じ「EasyList」だ。
Operaの広告ブロック機能は初期設定では無効になっている。メニューバー右端の盾アイコンをクリックすることで、Webページごとに無効/有効を設定できる。
同社は公式ブログで「広告はウェブの成長を助け、数百万のWebサイトに人々が無料でアクセスすることを可能にしてきた」としつつも、広告の肥大化によるページ読み込みの低速化だけでなく、マルウェアの危険やプライバシー問題への危機感が高まっていると指摘する。
Operaは広告ブロック機能の追加とともに、広告主に対して「重い」広告が引き起こす問題を理解するためのツールの提供も開始した。「それによって広告業界が目指すべき変革を加速させるものと確信している」という。
技術的な背景などはこちらの日本語ブログを参照されたい。
関連記事
- Android向け広告ブロックアプリ「Adblock Fast」、Google Playで復活
Googleが、開発者規約に違反したとしてGoogle Playから削除した広告ブロックアプリ「Adblock Fast」を、開発者の主張を認めて再度公開した。 - 米WIRED、広告ブロックユーザーに提案──ホワイトリスト化か有料版か
米IT系メディアのWIREDが、広告をブロックする読者の増加を受け、週額1ドルの有料版立ち上げを発表した。広告ブロックブラウザのユーザーは、有料版に登録するか、WIRED.comをホワイトリスト化しなければ、コンテンツへのアクセスを制限されるようになる。 - Opera、身売りを含む選択肢検討を開始
Webブラウザ「Opera」のメーカー、Opera Softwareが身売りを含む戦略的な選択肢の検討を開始したと発表した。年内には検討の結論を出すとしている。 - Opera創業者のWebブラウザ「Vivaldi」がβリリースに
Opera創業者のヨン・フォン・テッツナー氏が1月に立ち上げた新Webブラウザ「Vivaldi」がβ版になり、Chrome拡張機能のフルサポートやメモや別ウィンドウなどの新機能が追加された。 - Google幹部、iOS 9の広告ブロック機能は「お湯と一緒に赤ん坊を流してしまう機能」
AppleがiOS 9に追加した広告ブロックを可能にする新機能「コンテンツブロッカー」について、Googleの広告/コマース担当上級副社長が初めて公の場で語った。広告ブロックは不要なものを排除するだけでなく重要なもの(コンテンツプロバイダーの収入)をも犠牲にする機能であり、容認できる広告プログラムの構築が必要だと主張した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.