8ビットマイコン時代に逆戻り? アセンブリ言語が人気上昇
かつてホビープログラマーにとって憧れだったアセンブリ言語が、今になってプロフェッショナルの世界で再評価されている。その理由とは。
TIOBEプログラミングコミュニティは、2016年7月のインデックスを公開した。
Java、C、Pythonなどが上位を占める中で注目されるのは、アセンブリ言語が先月までの12位からベスト10に上昇したことだ。TIOBEインデックスは、Philips系のソフトウェア調査会社TIOBE Softwareが発表している、各種プログラミング言語の人気度を示すものだ。いくつもの検索エンジンの結果から、プログラミング言語がどのぐらい使われ、どのぐらい注目を集めているかを評価している。
アセンブラによってアセンブルされるアセンブリ言語は、プログラミング言語の中でもっとも機械語に近く、低級言語と表現される。しかしもちろんレベルが低いわけではない。むしろ、エラーチェックが難しくあらかじめ用意された機能も少ない、効率よく使うためにはハードルの高い言語だ。アセンブリ言語しかなかった時代はともかく、読み書きしやすく現在では速度も引けをとらない各種の高級言語が登場した今、なぜアセンブリ言語なのだろうか。
人気再燃の理由についてTIOBEは、小規模システムの普及を挙げている。いまや電動歯ブラシからコーヒーメーカーまで(とTIOBEは例を挙げているが、どちらもPhilipsの代表的な製品だ)、マイクロコンピュータが使われている。こうした、メモリと速度が厳しく制約された機器を効率よく動かすためには、アセンブリ言語で書かれた機械語プログラムが不可欠というわけだ。
パーソナルコンピュータがマイコン(My Computer)と呼ばれていた1980年代、入門しやすいがあきれるほど低速なBASICインタープリタではなく、アセンブリ言語を通して機械語で直接プログラミングすることは、マイコン少年たちの憧れだった。当時の憧れを抱えたままJavaやC++に取り組んでいるプログラマーにとって、今がチャンスかもしれない。
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