クラウドサービスのRackspace、非公開化──投資企業が43億ドルで買収
1998年創業のクラウドサービス企業Rackspaceが、投資企業Apollo Global Managementによる買収で非公開化すると発表した。買収総額は約43億ドルで、手続きは年内完了の見込み。
米クラウドサービスの老舗、Rackspaceは8月26日(現地時間)、米投資企業Apollo Global Managementによる買収により、非公開化することで合意に達したと発表した。買収総額は43億ドル(1株当たり32ドル)。
1998年創業で2008年にニューヨーク証券取引所に上場したRackspaceは、ホスティングとクラウドサービス(マネージドクラウドを含む)を手掛けている。2010年にNASA(米航空宇宙局)と協力して開発したオープンソースのクラウドプラットフォーム「OpenStack」は、クラウド市場に大きな影響を与えた。
だが近年は米Amazon.comのAWSや米MicrosoftのAzureなど大手との競争で苦戦しており、2014年には身売りを検討していた。
同社は現在、従来のIaaS(サービスとしてのインフラ)型クラウドサービスから、AWSやAzureを使っている顧客にサポートサービスを提供するマネージドクラウドサービスにシフトしており、非公開化することでこの移行を長期的なスパンで実施できるとしている。
テイラー・ローズ社長兼CEOは発表文で、「主要企業が自社のデータセンターからマルチクラウドに移行しつつある現在、われわれには素晴らしいチャンスがある。Apolloとそのパートナーは価値重視の忍耐強いアプローチでRackspaceの戦略と企業文化を評価してくれている」と語った。
非公開化の手続きは年内に完了する見込みだ。
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