日立製作所は10月24日、スマートフォンに標準搭載されているカメラを利用して高精度な指静脈認証を実現する技術を開発したと発表した。スマホカメラで撮影した複数の指のカラー画像から、各指を検出して静脈パターンを抽出。複数の指の静脈パターンを認証に用いることで精度を高めた。
指静脈認証は体内のパターンで認証するため、指紋、顔、声紋など他の認証方式より偽造やなりすましが困難だが、読み取るためには赤外線を用いた専用センサーが必要だった。
新技術は、スマホカメラで撮影した指の画像から、指静脈に特有な色合いの部分を強調することで静脈パターンを抽出。指のしわと指静脈を区別でき、指静脈パターンを安定的に抽出できるという。指の色や形の実例画像をあらかじめ学習させておくことで、画像に映り込む背景に左右されずに各指の傾きや大きさを補正する技術も開発した。
スマホでのオンラインショッピングなどでの本人認証手段に利用できるとしている。新技術は、10月27日・28日に東京国際フォーラム(東京・有楽町)で開催する「Hitachi Social Innovation Forum 2016 TOKYO」で展示する。
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