東レは1月23日、ネコ用の慢性腎臓病治療薬を開発し、農林水産省から製造販売の承認を取得したと発表した。4月から動物用医薬品大手の共立製薬が販売する。
開発した「経口プロスタサイクリン(PGI2)製剤 ラプロス」は、血管内皮細胞保護作用や血管拡張作用などを備え、腎臓の血流減少(虚血)および低酸素状態を改善、腎機能の低下を抑制できるという。国内で「腎機能低下の抑制」を効能効果として承認を取得した薬剤はラプロスが初めて(同社)という。
ネコの慢性腎臓病は、10歳以上のネコにおける有病率が30〜40%にのぼる、かかりやすい病気。食欲不振や体重減少、多飲多尿、嘔吐(おうと)などの症状が現れる。これまで病態が解明されておらず、治療の選択肢は限られていたという。
ラプロスはネコ専用の薬剤で、1回あたり1錠、1日2回、朝晩の食後に経口投与する錠剤。10カ月齢未満のネコには使用できず、体重7キロ以上のネコに対する有効性は確認されていないという。
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