幼女にビンタされる(ただしVR空間で) 300ボルトの電撃と言葉責めにクラクラ:闘会議2017
VR HMDと低周波治療器の電極を組み合わせ、少女にほおをビンタされる体験ができるデモンストレーションが「闘会議2017」に登場。
「歯を食いしばりなさい!」――VR(仮想現実)空間で幼い少女に顔をビンタされるデモンストレーションが、ドワンゴのゲームイベント「闘会議2017」(千葉・幕張メッセ、2月11〜12日)に出展されている。VR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)をかぶり、耳の裏側に電極を装着。VR映像内の少女がユーザーをビンタするタイミングで電流が流れ、ビンタの衝撃を体感できる仕組みだ。
開発したのは、ゆるUnity電子工作部という同人サークル。耳の前庭に電気刺激を与えると、平衡感覚が狂い加速度を感じるという論文(2007年、東京大学前田研究室)を参考に、研究室とは全く関係のない個人集団としてデバイスを作成した(※)。
(※)同論文の内容は医学的に明確な証拠がなく、健康でない人や障害を抱える人などが体験すると危険な場合がある。今回の展示では、記者は事前に説明を受けた上で、同意書にサインをして体験した。
HMD「HTC Vive」を被り、耳の裏側に市販の低周波治療器を改造した電極を装着。VR空間に少女が登場し、「逃げるんじゃないわよ!」「歯を食いしばりなさい!」などと脅されながら顔をビンタされる。
ビンタのタイミングで流れる電流の電圧は300ボルトほど。記者が恐る恐る体験してみたところ、少しピリッとした電流の感覚とともに、左ほおに衝撃が。まるで本当にビンタを食らったように頭がクラクラし、そのまま自然と顔が右側に動く――という、かなり屈辱的な体験を味わった。
「VRデバイスで独自性を」
「VRデバイスで独自性を出したかった」――同サークルの尾作慶一さんは、開発の理由をそう話す。「普段からハードを専門に作っているので、VRコンテンツを作ろうにも映像や絵を専門にしている人にはかなわない」と尾作さん。そんな中で目を着けたのが、VR映像と合わせて痛覚や平衡感覚なども感じられる「体感型のデバイス」だった。
「VRに慣れたユーザーが増え、今年に入ってからはVR映像に体感型デバイスをプラスするという発想をよく見かける。そこで独自性を出したかった」(尾作さん)。
今後は、コントローラーにセンサーを取り付け、カーレースの映像と連動して実際に体が動いたり、傾いたりするように感じる――などのコンテンツを開発したいという。「体感型デバイスを使い、VRの没入感を高める研究はいくつも前例があるが、自分が体感したことがないので挑戦してみたい」(尾作さん)。
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