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ニュートンプレスが民事再生 科学誌「Newton」発行元、雑誌は「維持・存続が使命」
科学誌「Newton」発行元のニュートンプレスが東京地裁に民事再生を申し立て。雑誌「Newton」を存続させることを前提に再建に取り組む。
科学誌「Newton」発行元のニュートンプレスは2月20日、東京地裁に民事再生を申し立て、保全処分を受けたと発表した。雑誌「Newton」は「維持・存続させることが当社に課された社会的使命」とし、存続を前提に再建に取り組む。
Newtonは、豊富なイラストや分かりやすい文章で科学を解説する雑誌として、1981年、東京大学元教授の故・竹内均氏を編集長に迎えて教育社(当時)から創刊。97年にニュートンプレスに移管した。
帝国データバンクによると、2011年9月期には年約17億円の売上高を計上していたが、雑誌不況の影響などで16年9月期の売上高は約12億円、最終赤字約1600万円に落ち込んでいた。
借入金の返済を一時停止するなどして再建に取り組んでいたが、元社長が2月17日、定期購読者から違法な出資を募った出資法違反の疑いで逮捕されたことを受け、「裁判所の指導・監督を受けながら経営改善を進めることが再建にあたり最良の手段」と判断し、民事再生を申し立てたという。帝国データバンクによると、現時点で分かっている負債は総額約20億円。
同社は「多くの購読者の方に支えられている雑誌『Newton』を維持・存続させることが、当社に課された社会的使命」とし、債権の元本を全額弁済することを目指して再建に取り組むとしている。
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