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取次中堅の太洋社、破産決定 芳林堂書店の倒産で8億円焦げ付き
出版取次中堅の太洋社が東京地裁に自己破産を申請。出版取次の倒産では、栗田出版販売に次ぐ2番目の規模となる。
帝国データバンクと東京商工リサーチによると、出版取次中堅の太洋社が3月15日、東京地裁に自己破産を申請し、同日、破産開始手続き開始決定を受けた。2月に自主廃業を検討する方針を明らかにしていたが、芳林堂書店の破産なども響き、自主廃業を断念した。
負債は昨年12月期末時点で約76億円で、その後変動している可能性がある。出版取次の倒産では、栗田出版販売(負債133億円)に次ぎ2番目の規模。
1946年創業の中堅。コミックに注力していることで知られ、2005年には売上高486億円を計上。だが出版不況で収益は落ち込み、15年6月期には売上高が171億円にまで落ち込み、6期連続で経常赤字に陥っていた。
本社不動産の売却や人員削減などで立て直しを図っていたが、昨年6月に業界4位の栗田出版販売が民事再生を申し立てるなど、環境は悪化。今年2月5日には、自主廃業を視野に資産精査と書店の帳合変更を進める方針を明らかにしていた。
だが15年6〜12月期の中間決算が約2億円の最終赤字になるなど、財務内容が想定以上に悪化していたという。帳合変更先の書店への支払いができなくなる恐れが生じていると公表したことで、一気に信用不安が拡大。大口取引先だった芳林堂書店が同月、自己破産を申し立てたことから約8億円の焦げ付きが確定。帳合変更に伴う約2億円の未回収金も生じ、自主廃業を断念した。
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