Google、JPEGを35%小さくできるエンコーダー「Guetzli」をオープンソースで公開
Web高速化を目指すGoogleが、JPEGファイルを従来の方法より35%小さくできるというエンコーダー「Guetzli」をオープンソースで公開した。エンコードに時間とメモリがかかるが、完成したファイルは軽い上に画質も従来より高いとしている。
米Googleは3月16日(現地時間)、従来よりJPEGサイズを約35%小さくできる新エンコーダー「Guetzli」(グエツリ、ドイツ語で「ビスケット」のこと)をオープンソースで公開したと発表した。GitHubで公開されている。
Guetzliで画像をJPEGにすることで、画像を多数使うWebサイトの読み込みを高速化できるとしている。手法的には同社が2013年に公開した汎用データ圧縮ライブラリ「Zopfli」と近く、新しい画像フォーマットを必要としない。また、「WebP」や「RAISR」とは異なり、圧縮を高めるためにクライアント側を変更する必要がない。
Guetzliは検索アルゴリズムを応用することで、目に見える画質とファイルサイズのバランスを両立させているという。下の画像は、青空をバックにした電話線の16×16ピクセルの画像で、左から、未圧縮のオリジナル、libjpegによるJPEG、GuetzliによるJPEGのものだ。Guetzliの方が通常のJPEGより青空部分のノイズがないのが分かる。
Guetzliで圧縮したJPEGファイルは、画質を犠牲にせずにファイルサイズを小さくできることは、人間に画像を比較してもらう実験でも証明されたとしている。libjpegと同じ、あるいはより小さいファイルサイズでも、人はGuetzliの画像の方を高く評価したという。
Guetzliのトレードオフは、検索アルゴリズムを使うことで画像圧縮に従来よりもかなり時間がかかることだ。また、メモリもかなり消費するという。GitHubのReadmeによると、1Mピクセル当たり300MBのメモリが必要となっている。圧縮できるオリジナルファイルはPNGかJPEGのみ。アルファチャンネルはサポートしない。
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