LINEは4月24日、捜査機関から受けた情報開示要請の対応状況を公開した。2016年7月から12月の間、メッセージアプリ「LINE」に対して要請されたのは全世界で計1719件で、そのうちの58%に対応したという。
公開された「LINE Transparency Report」によれば、開示要請の対象となったのは1268回線(LINEは電話番号1つにつきアカウント1つ)。LINEが受領した要請件数のうち、87%(1500件)が日本の捜査機関からで、実際に情報を開示した対応件数は928件だったという。
開示の要請件数が次いで多いのが台湾で、開示要請168件のうち対応件数は168件。韓国は開示要請が43件のうち対応件数が0件、米国は開示要請が3件のうち対応件数は0件──と続く。
日本での情報開示要請では、以下の法的根拠に基づき、LINEの担当者が厳格なルールのもとで対応するという
- 令状(刑事訴訟法):裁判所から発行される、差押えや捜索等の許可または命令する旨を記した書面
- 捜査関係事項照会(刑事訴訟法):捜査機関が捜査に必要な情報の提供を事業者等に求める行為
- 緊急避難(刑法):生命や権利が脅かされる場合にやむを得ず行う対応。当社においては爆破予告や自殺予告が書き込まれた場合に、その当事者を特定する行為等
LINEは、情報開示要請に関するレポートを公開する理由として、「昨今海外で話題になったように、捜査機関からインターネットサービス事業者への過度な情報提供要求はサービス利用者のプライバシーを脅かす可能性をはらんでいる。捜査機関からの情報開示請求に対する当社のスタンスを明確にし、どの程度の頻度で当社が要請を受領し、応じているかについて透明性を保つことが、ユーザーにとって安心安全な環境を提供する上で必要不可欠」としている。
情報開示要請に関するレポートは、今後も定期的に公開するという。
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