任天堂、アプリの“課金”今後どうする? 君島社長がコメント
スマートフォンゲームの課金モデルについて、任天堂の君島達己社長が株主総会で言及。スマホ版「どうぶつの森」の課金モデルはどうなる?
「単に買い切り型モデルだけでなく、それ以外の要素も含めてより多くのユーザーに遊んでもらえる方法を考えていきたい」──任天堂の君島達己社長はこのほど、同社株主総会で、スマートフォンゲームの課金モデル(※)について考えを明らかにした。
(※)課金は「料金を課すこと」を意味するが、本記事中ではユーザーがゲームアプリ内でアイテムを購入するというネットスラングを指す
任天堂は2016年夏に「Pokemon GO」、同年末に「スーパーマリオラン」(iOS版)、17年2月に「ファイアーエムブレム ヒーローズ」(FEH)と、課金モデルが異なるアプリを相次いで投入。Pokemon GOはアイテム買い切り型、スーパーマリオランはアプリ買い切り型、FEHはいわゆる「ガチャ」(ランダム型アイテム提供方式)を採用している。
君島社長は「スマートデバイスビジネスについて、任天堂は新参者」「これがベストという課金モデルはなく、いろいろと学んだ」と説明する。
同社によれば、スーパーマリオランのダウンロード数は全世界で1億5000万以上だが、課金したユーザーは全体の10%未満だった。一方、FEHは、スーパーマリオランと比べると、ダウンロード数は10分の1未満だが、課金総額は上回っているという。
君島社長は「世界中にマリオを遊びたいユーザーがいるが、経済環境など各国の状況は異なり、課金しないユーザーもいる」と要因を分析。「今後は、単に買い切り型モデルだけでなく、それ以外の要素も含めてより多くのユーザーに遊んでもらえる方法を考えていきたい」と話す。
任天堂は、17年度中に「どうぶつの森」スマホアプリの公開を予定しているが、現時点でゲームシステムの内容、課金モデルなどは明らかにしていない。「(スーパーマリオランなどの)学びを生かし、IPキャラクター、ゲーム内容で異なるユーザーの層や数を検討しながら、納得して長く遊んでもらえるアプリを提供する」(君島社長)。
関連記事
- 「勉強しないと世界滅亡」 スマホゲームと連動した中学参考書が登場 人気声優起用、ゲームは課金なし
「勉強しないと、世界滅亡!?」――無料のスマートフォンゲームと連動した中学生向け参考書が学研から。参考書で勉強し、連携ゲームアプリで問題を解くと、ゲームのストーリーが進む。 - 「ゲーム課金でマイルがたまる」 ANAマイレージが「ガチャに優しい」と話題に その狙いは
ゲームに200円使うごとに1マイルがたまる……そんなサービス誕生のきっかけは、あのゲームアプリだった。 - スマホ版「ゼルダの伝説」開発か 任天堂に聞く
スマートフォン向けゲーム「ゼルダの伝説」が「どうぶつの森」に続いてリリースされると、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。 - 任天堂、スマホ版「どうぶつの森」リリース延期
スマホ版「どうぶつの森」は「2017年度中」に延期。 - 「スーパーマリオラン」7800万ダウンロード 課金率「ゆっくり上昇している」
「スーパーマリオラン」は世界で7800万ダウンロードされたという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.