「Pokemon GO」は働く人のメンタルヘルスを改善する――東大の研究
「Pokemon GO」が働く人のメンタルヘルスを改善する――東京大学がこのほど、こんな研究結果を発表した。
「Pokemon GO」が働く人のメンタルヘルスを改善する――東京大学がこのほど、こんな研究結果を発表した。「Pokemon GO」を1カ月以上プレイした人は、そうでない人に比べ、1年後のメンタルヘルスが改善していたという。
Pokemon GOは、主に戸外でポケモンを捕まえたりアイテムを取得するゲーム。自宅に引きこもっていた女の子が、Pokemon GOをプレイするため自ら外出した例が報道されるなど、メンタルヘルスの改善役立つという報告はあったが、科学的なエビデンスが示されていなかった。
研究チームは、2015年11月から追跡していた、日本に住む正社員・正職員の労働者2530人に16年12月、「Pokemon GO」を1カ月以上継続してプレイしたことがあるか再度質問。「はい」と答えた人(246人・9.7%)は、1年間で心理的ストレス反応が減少していたが、そうでない人(2284人、90.3%)はほぼ横ばいだった。
対象者の年齢や性別、喫煙や飲酒などの生活習慣、仕事の量的な負担や裁量権、上司や同僚からの支援の程度となどを考慮した上でも、結果は同じだったという。
研究チームは「ゲームを使ったメンタルヘルス改善は、メンタルヘルスの問題に興味のない人々などにも有効な可能性がある」と期待。今後、ゲームがメンタルヘルスを改善するメカニズムの検討や、より厳密な効果検証のための研究を進めるとしている。
研究結果は9月7日、英学術誌『Scientific Reports』オンライン版に掲載された。
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