Google、「Cloud Natural Language API」に自動カテゴリ分けとエンティティ感情分析機能
Googleの本語対応の自然言語API「Cloud Natural Language API」に、テキストを70以上のカテゴリに自動分類する機能と、特定エンティティ(固有名詞)についての感情分析機能が追加された。
米Googleは9月19日(現地時間)、クラウドサービス「Google Cloud Platform」で利用できる日本語対応の自然言語API「Cloud Natural Language API」に2つの新機能を追加したと発表した。
Cloud Natural Language APIは昨年6月にリリースした、コンピュータに人間の自然言語を理解させるためのAPI。日本語、英語、スペイン語に対応する。
これまで、テキストの内容を解析する「構文解析」、自然言語で書かれたテキストから書いた人の意見や感情を抽出する「感情分析」、エンティティ(人、組織、場所、イベント、商品、メディアなどの固有名詞)を識別してラベル付けする「エンティティ分析」などが利用できた。
新機能として、コンテンツを自動的に分類し、カテゴリ分けする機能と、感情分析とエンティティ分析を組み合わせた「エンティティ感情分析」が追加された。
コンテンツの自動分類機能では、テキストの内容を解析して「芸術と娯楽」「趣味とレジャー」「法律と政治」「ニュース」「健康」などを含む700以上のカテゴリに分類する。毎日大量の記事を掲載するニュースメディアなどで役立ちそうだ。
例えばNew York Timesのロブスターサラダの記事は、「料理&レシピ」と「肉と魚介」の2つのカテゴリに分類された。
エンティティ感情分析は、テキスト内でエンティティについて表現された感情(ポジティブかネガティブか)の特定を試みる。数値のスコアと強度の値を使って任意のエンティティについて言及されるたびに感情が特定される。このスコアを集計して、そのエンティティの全体的な感情スコアと強度が計算される。
中国Lenovo傘下のMotorolaはTwitterやオンラインコミュニティ、カスタマーサービスへのメールなど、複数のソースをエンティティ感情分析にかけ、自社製品に対する顧客の感情を分析した結果を顧客満足度向上に反映させているという。
Cloud Natural Language APIは専用サイトから利用できる。
関連記事
- Google、動画内検索を可能にするディープラーニング採用APIのβ提供開始
Googleが、例えば「犬」「野球」などのキーワードで関連する動画を検索し、動画のどの部分に関連シーンがあるかを特定するためのディープラーニング採用API「Cloud Video Intelligence API」のプライベートβ版を公開した。 - Google、“毒コメント”にリアルタイムで対処する機械学習API「Perspective」公開
Googleがパブリッシャーを対象に、コンテンツに付けられた不適切なコメントをリアルタイムで検出するAPI「Perspective」を公開した。Tensorflowを採用し、機械学習でコメントが“毒性”かどうかを評価する。 - Google、日本語もサポートのクラウド自然言語APIとスピーチAPIを一般向けにβ公開
Googleがクラウドサービス「Google Cloud Platform」で利用できる自然言語APIと音声認識APIをβ公開した。Googleが「Google Now」などで使っている技術を無料〜低価格で利用できる。 - Google、アプリに画像認識機能を追加できる「Cloud Vision API」を公開
Googleが、GoogleフォトやSafeSearchで採用している機械学習画像認識機能をアプリに追加できる「Cloud Vision API」をGoogle Cloud Platformユーザー向け限定プレビューとしてリリースした。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.