モバイルバッテリーを略して「モバブ」──“ブ”って何?:明日から使えるITトリビア
どこでもガジェットを充電できる便利なモバイルバッテリー。これを「モバブ」と略す人がいる。「モババ」じゃない?
モバイルバッテリーは、電源が無い場所でスマートフォン(以下、スマホ)やタブレット、ゲーム機などを充電できる便利グッズだ。そんなモバイルバッテリーを、ちまたで“モバブ”と呼んでいる人々がいるのをご存じだろうか。“モバ”はともかく、“ブ”は一体どこから出てきたのか。そのシンプルな理由は、約10年前にさかのぼる。
モバイルバッテリーが「モバブ」と呼ばれる理由
日本でモバイルバッテリーの存在を大きく知らしめたパイオニアと言えば、旧三洋電機(現パナソニック)が2007年12月に発売した「eneloop mobile booster」(モバイルブースター)という製品を欠かすことはできない。携帯電話やゲーム機をどこでも充電できる便利さが話題を呼び、08年の「iPhone 3G」発売や、11年の震災時には緊急用のバッテリーとして特に注目を集めた。
当時、モバイルバッテリー商品は種類が少なく、競合製品は片手で数えるほど。自然放電が少なく、繰り返し充電できる乾電池(二次電池)で高いシェアを占めていた「eneloop」ブランドだったこともあり、モバイルブースターはモバイルバッテリー製品の中で確固たる地位を確立。そして「モバイルバッテリー=モバイルブースター」というイメージが定着していった。
ITmediaの社内でも当時のようすを聞いてみると、「スマホだけではなく、USBで充電できるデジカメのバッテリーが外で切れたとき、本当に役に立った」と、仕事で助けられたという声も多い。私の回りでも、いわゆるガジェット好きのかばんには必ず“モバブ”が入っていたように感じる。
三洋がパナソニックに買収されてからは、商品名からモバイルブースターの名前は消えてしまったが、当時から“モバブ”を活用していたユーザーは、今でもモバイルバッテリーのことをモバブと呼ぶ。
音楽プレーヤー全般を「ウォークマン」「iPod」、ゲーム機全般を「ファミコン」、面ファスナーを「ベルクロ」と呼ぶ人がいるように、今なき企業の遺産である“モバブ”も、愛称として受け継がれていた。
関連記事
- 「島根にパソコンない」──夏に検索増える理由 県は「盛り上がるきっかけになれば」
夏になると「島根県 パソコン」に関する検索が増えるという。これは一体……。島根県にも反応を聞いた。 - 「iPhone X」は何て読む?
ついに発表された「iPhone X」。読み方は「エックス」なのか「テン」なのか。 - 若者はみんな使っている? 謎のワード「ギガが減る」とは
あなたのスマホ、“ギガ”減っていませんか? - 「人がパスワード入力中に視線をそらす」は当たり前のITマナー?
あなたは視線をそらす派? そらさない派? - ノートPCには“正しい持ち方”がある?
ノートPCを持ち運ぶとき、あなたはどこを持つ?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.