ソースネクスト、世界50言語対応の通訳ガジェット SIMカード内蔵
ソースネクストが、世界50言語以上に対応する音声翻訳デバイスを発表。ソラコムと事業提携し、世界61カ国で使えるグローバルSIMカードも提供する。
ソースネクストは10月23日、世界50言語以上に対応する音声通訳デバイス「POCKETALK」(ポケトーク)を12月14日に発売すると発表した。KDDI傘下のIoT通信事業ベンチャー・ソラコムと事業提携し、海外でも通信可能なSIMカードが付属するパッケージも用意する。価格は2万4800円(以下、税別)から。
本体に向けて話しかけると、世界50言語以上に翻訳して発話できる手のひらサイズの音声通訳デバイス。Wi-Fiやモバイルネットワークに接続して利用する。日英翻訳なら「Google翻訳」、日中なら「バイドゥ翻訳」など、クラウド上で最適な翻訳エンジンを自動で選択するため、長い文章でも高精度で翻訳できるという。
本体表面に備えるタッチセンサーで操作する。裏面にはSIMカードスロットを搭載。サポート対象外だがユーザーが用意したSIMカードを利用できるほか、世界61カ国で使えるグローバル対応のSIMカードが付属するパッケージも用意する。2年間の通信利用権が付属し、各国での設定は不要という。本体のみの価格は2万4800円で、SIMカード付きパッケージは2万9800円。
ソースネクストによれば、ハードウェアはTravis社(オランダ)との共同開発としている。OSにAndroid 5.1を採用し、プロセッサはクアッドコア、メモリ1GB、ストレージ8GBを搭載。ディスプレイは1.3インチ(320×320ピクセル)。SIMカードサイズはnano SIMで、対応バンドは3G W-CDMA(850/1900/2100MHz)。日本国内ではドコモ回線(Band1:2100MHz)で利用できるという。Wi-Fiは802.11b/nに対応する。
バッテリーの連続待受時間は約5日間、翻訳機能の連続使用で約6時間使えるという。ノイズキャンセル機能搭載の内蔵デュアルマイク、3.5ミリのイヤフォンジャック、内蔵ダイナミックスピーカーを搭載。サイズは110(幅)×60(奥行き)×16(高さ)ミリ、重さ約90グラム。カラーバリエーションはホワイトとブラックの2色。
スマートフォンでもアプリを使って同等の翻訳機能を利用できるが、ロックを解除してアプリを起動したり、海外で相手にスマートフォン本体を渡したりなどの必要がある。POCKETALKは、そうした手間を省ける利点がある。
外国語の学習、学習が不要な未来を共に目指す
ソースネクストは4月、語学学習教材で知られるロゼッタストーン日本法人を子会社化。語学学習教材「ロゼッタストーン」の展開を強化しているほか、自動翻訳デバイスの発売を予告していた。
ソースネクストの松田憲幸社長は、外国語習得者が増える未来と、言語学習が不要な未来の2つを同時に目指すと話す。
「一般の人に手が届く価格で翻訳デバイスを提供できたと考えている。言葉の壁をなくすというのが自社のミッション。誰とでも自然に話せる世界を実現していきたい」(松田社長)
POCKETALKの販売目標は2020年までに50万台。空港で代理店を通したレンタルも行う。
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