三菱電機は2月14日、「直感的に操作できるリモコン」を発表した。リモコンは、視覚障がい者が通う横浜訓盲学院の教師や生徒と共同で開発。操作する項目ごとに形状や動きが異なり、機器操作に慣れていない人や視覚障がいのある人でも直感的に操作できるという。
通常の家電製品では、同じような形状のボタンが並んでいたり、ボタンの配置が直接的な意味を持たなかったりするため、視覚障がい者にとって理解しにくいことがあるという。例えば、エアコンのリモコンでは、設定温度を操作するボタンが水平に設置されていることが多く、先天性視覚障がい者には理解しにくいそうだ。
そこで、温度を調節するボタンを垂直方向に配置。最上部を31度、最低部を16度とし、1度ずつ設定できるよう階段状のデザインにした。これにより、上下の概念を垂直方向で理解でき、視覚障がい者も積極的にリモコンを操作しやすくなるという。風量はボールの数で表現。右側にボールを移動するほど風が強くなる設計にした。
三菱電機は、視覚障がい者が理解しやすい概念を追求し、形や動きを用いた「触りたくなるインタフェース」を提案。「ユーザー自らが操作できるものづくりを目指す」としている。
(太田智美)
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