何度も荷物を受け取れるスマート宅配ボックス、LIXILが発売
LIXILがIoT宅配ボックスを発表。スマートフォンと連携し、宅配ボックスからの集荷や複数の荷物受け取りなど、「従来の宅配ボックスでは解決できなかった課題を解決する」(同社)という。
住宅用設備などを手掛けるLIXIL(リクシル)は9月26日、同社初のIoT宅配ボックスを10月1日に発売すると発表した。スマートフォンと連携することで、宅配ボックスからの集荷や複数の荷物受け取りなど、「従来の宅配ボックスでは解決できなかった課題に対応する」(同社)という。参考価格は据え置き仕様の17万8000円(税別)から。
戸建て住宅の玄関先に設置することを想定した宅配ボックス。ボックスはペットボトルのケース(2リットルペットボトル6本)が上下に2つ入る大容量で、耐荷重は30キロ。ポストやインターフォンの機能を一体化し、カメラやマイク、スピーカーの他、夜間でも宅配業者を確認できるLED照明なども備えた。
スマートフォンを登録すると、荷受け時に通知を受け取ったり、荷物の見守り(監視)が可能になる。さらに外出先でも動画付きで宅配業者とリアルタイムに話ができるため、例えば宅配ボックスからの集荷を依頼したり、既に荷物が入っている場合でもリモート解錠して2つ目の荷物を受け取れるなど、柔軟な運用が可能になる。宅配業者用のパスワードも設定できる。
通信手段にはコードレス電話などに使われるDECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)方式を採用。宅内に設置する「ホームユニット」を介して無線LANに接続する仕組みで、通信距離は見通し約70メートル。ホームユニットにはオプションの「屋内/屋外カメラ」や「カーゲート用通信ユニット」なども登録できる。
LIXILでは今後、クラウドサービスを活用してスマート宅配ポストのデータを宅配業者などと共有し、「さまざまな社会サービスとの連携を目指す」という。サービスの展開状況は10月に公開予定の専用サイトで随時公開する。
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