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少量の血液でがん発見するシステム開発へ ディープラーニング活用、DeNAがPFNと共同研究
ディープラーニングによって少量の血液からがん有無を判定するシステムの開発を目指し、DeNAとPreferred Networks(PFN)が共同設立したPFDeNAが研究スタート。2021年の事業化を目指す。
ディー・エヌ・エー(DeNA)とPreferred Networks(PFN)が共同設立したPFDeNAは10月29日、少量の血液からがんの有無を判定するシステムの開発を目指して研究を始めると発表した。ディープラーニング(深層学習)によって胃がんや肺がん、乳がんなど14種のがんを判定する仕組みを作り、2021年の事業化を目指す。
近年の研究で、がんになると体液に含まれる「マイクロRNA」という物質の種類や量が変動することや、罹患した臓器によってマイクロRNAの発現に違いがあることなどが分かっている。開発するシステムでは、採取が容易な血液からマイクロRNAを計測。計測結果と臨床情報を使ってディープラーニングを行い、14種類のがんの有無を高精度で判定できるようにする。
少量の血液採取でがんを発見できるようにし、患者の負担が少ないがん検診の普及や早期発見につなげる狙い。研究に使う血液や臨床情報は、国立がん研究センターが提供者の合意のもと研究用に収集したものを、個人が特定されない形で使用する。医薬品医療機器総合機構の承認を得た上で、2021年を目標に事業化する計画だ。
PFDeNAは、DeNAとPFNが2016年に共同設立したベンチャー企業。国立がん研究センターとともに、がんの診断精度を高めるシステム開発に取り組んでいる。
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