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「天牛堺書店」破産に驚き 「新刊も古本も扱う稀有な書店」と惜しむ声、作家も「ショック」

新刊と古本を扱う書店・天牛堺書店が破産手続きに入ったと帝国データバンクが伝えた。このニュースは地元の読書家に驚きを持って受け止められており、Twitterには「新刊も古本も扱う希有な書店だった」「センスの良い古本が置いてあったのに」などと惜しむ声が広がっている。

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関連ワードが多数Twitterトレンドに入っている

 大阪府南部を中心に12店舗を展開していた、新刊と古本を扱う書店・天牛堺書店(てんぎゅうさかいしょてん)が1月28日付けで破産手続きに入ったと、帝国データバンクが同日伝えた。このニュースは地元の読書家に驚きを持って受け止められており、Twitterには「新刊も古本も扱う希有な書店だった」「センスの良い古本が置いてあったのに」などと惜しむ声が広がっている。

 帝国データバンクによると、天牛堺書店は1963年創業。古本買い取り店として発足し、新書と古書を併売する業態で大阪府堺市を中心に12店舗を展開。堺市周辺の読書家に親しまれた。特に古書・専門書の目利き力に定評があり、国立大学の図書館や研究室などとも取引していた。だがネットの台頭などにより売り上げが減少し、1998年5月期には28億円あった年売上高が18年5月期には18億円まで減少。同期に約16億4000万円の負債を計上していたという。

 Twitterでは地元民から「本当にびっくり」などと驚きの声が上がっており、店舗を訪れてシャッターが閉じている写真を撮影し、アップして報告する人も。Twitterトレンドには28日4時半時点で、「天牛堺書店」「書店12店舗」「大阪府下」など、同書店に関連するワードが多数入っている。

 「ここの○○円均一の古本は良い本がそろっていた」「お財布に優しくセレクトもセンスの良い古本も置いてあった」「マニアックな古本がたくさんあってワゴンセールで掘り出し物を見つけるのが楽しい書店」など、古書の品ぞろえを評価し、惜しむ声も多い。

 大阪府出身の作家にもショックが広がっている。万城目学(まきめまなぶ)さんは、破産のニュースを引用した上で、「自分は達磨落としの上にいて、下の木片がすこーんと抜けていく。一瞬ぐらつく。でもそのうち慣れていく。またすこーんと抜ける。気づけば足元がごっそり消えている。そんなうすら寒さと怖さを感じます」とツイート。誉田龍一(ほんだりゅういち)さんは「ショックです。地元の本屋さんですし、『日本一の商人』では本当に多大にお世話になりました。それだけに、信じられません。うーん、、、何とか、復活して欲しい」とTwitterで述べている。

 古書専門の天牛書店(てんぎゅうしょてん)は同社とは無関係で、営業を続けている。

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