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» 2004年05月10日 00時00分 公開

レビュー:マウスよりタブレットPC? Illustrator CSと筆圧感知 (1/2)

前回はPhotoshop CSで、筆圧感知可能になったタブレットPCの使い勝手などを試してみたが、Photoshop CSと来れば当然次はIllustrator CSの出番。InDesign CSとの連携でDTPデザインやグラフィック作成時の使い勝手などをチェックして行こう。

[まつばらあつし,ITmedia]

描くたのしみ

 まず、筆圧感知のお話から。

 Photoshop CS のようなペイント系ツールと異なり、どちらかと言えばカチっとした仕上りが特徴であるドロー系のツールでは、ロコツに筆圧感知のお世話になる、ということが少ないのは事実ではある。

 しかしそんなタテマエとは裏腹に、Illustrator CSの細部までカスタマイズできる「ブラシツール」と、ダイレクトに「描ける」タブレットPCの組み合わせにおいては、かなり積極的に「ブラシで描いてみたい」という気持ちが湧いてくるのである、実は。

 Illustrator CSのブラシツールにあるオプションは、その角度や真円率、直径などの筆圧感知やその変位を自在にコントロールできるので、事実上無限でなおかつ自分好みのブラシを意外とカンタンに作ることができる。

 何回も試し描きしながら、いかに自然なタッチを出して行くか、自分好みの感じを出して行けるか、まるでパズルを組み立てて行くような、結構スリリングな体験を味合わせてくれる。

新規のブラシを作成し、オプションで角度や直径のサイズ、真円率に筆圧を与え、変位の割合を替えてどんな風に描けるのか、試しながらブラシを作る作業は中々刺激的

 自然なタッチと言うよりは「自然なタッチをシミュレートした」という言い方の方が正しいのかもしれないが、そんなブラシで力を入れれば濃く太く、力を抜けば薄く細く描けるという、脳みそから指先、そして画面までリンクしたように感じるタブレットPCならではのダイレクトな感覚は、やはり何物にも替えがたい。

 さらにはベクトルデータゆえの、描いた後での移動や加工が容易と言うメリットをも存分に楽しむことができる。これはPhotoshop CSなどのビットマップ系ツールでは味わえない、ある種の快楽と言ってもいいだろう。

自作したブラシでさっそく描く。描いた後でもコピーしたり角度を変えたりして、ひとつのストロークでもイロイロなテイストが出せる。

 ブラシで「さらっ」と描いて、気に入らない部分を後でじっくり修正して行くという、アナログ画材では不可能な作業が可能だし、さらには太さや色まで変えること事ができるのだから、筆のタッチに即興性を求めるのでなければ、コレはほぼ完ぺきな画材と言っていいだろう。

ちょっと猫描いてみました。まるでペイントソフトみたいな感じ(笑)。

 快楽ついでに言えば、選択したオブジェクトを、ペン先でズリズリ動かして行くというのもなんか気持ちイイ。手先に伝わる不思議な感覚は、他では決して味わえない独特のモノがある。

 また、ロゴデザインや写真などをを下絵としてトレースして作画する。というような作業の場合、従来のスタイルであればマウスとキーボードを併用しながら「ペンツール」で描いて行く、という方法が一般的な方法だと思うが、「ブラシツール」を使いロゴや写真を下絵に手描き風のイラストレーションを描く、みたいな表現方法も、筆圧感知を得たタブレットPCとIllustrator CS でなら、思わず描いてみたい、という気にさせてくれる。何となく創作意欲を沸き立てるような、そんな力を持っているんじゃないかと思う。

写真をトレースして好きなブラシで描く。あるいはトレースした線を好みのブラシに替える。手描き風のイラストもいがいとカンタンにできるあたり、ドローツールならではの楽しみと言えるだろう

ヨコかタテか?

 タブレットPCで作業をする場合、なんとなく縦位置にするべきだ、という気分がしないだろうか? 他のPCにはできないスタイルでもあるし。

 でもしばらく使って行くうちに、もしかしたら「横位置」の方が使いやすいかも? という気がしてきた。

 Photoshop CSやIllustrator CSなどで純粋に「作画」している時はそれほど感じなかったのだが、InDesign CSを立ち上げて作業しようとしたら、「縦位置」では正直言って使いにくい。ペラ物を作るならともかく、フツーに作業しようとしたら、なんと「横位置」の方が断然使いやすいのだ。

 単に横長の画面に慣れている、と言うこともあるのだろうし、作るモノや使う人の作業スタイルによっても変るかもしれない。それでもIllustrato CSやInDesign CSを使ったDTP系の作業の場合は、イラストなどの作画時とは違って、どうも横位置で使った方がモアベターだという感じが強い。パレットの位置が通常と変わらないため違和感を生じないし、今回レビュー用に使用しているコンバーチブル型(東芝のdynabook SS M200)や日本HPのHP Compaq Tablet PC TC1100などであれば、今までと同じくIllustrator CSなどのショートカットが使用できるからだ。

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