マウスよりタブレットPC? Illustrator CSと筆圧感知レビュー(2/2 ページ)

» 2004年05月10日 00時00分 公開
[まつばらあつし,ITmedia]
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データを持ち歩く

 グラフィック方面ばかりに気を取られてしまうが、タブレットPCならではの活用、と言う面からも考えてみよう。

 タブレットPCはその成り立ちとして「持ち歩く」という点を重視している。したがってIllustrator CS をタブレットPCで使う場合には、少々の割り切りが必要なのかもしれない。すなわち「描く」ためのメインマシンとしてではなく、「描いた」データを持ち歩いて、修正したり閲覧したりなどの使い方をメインにするという活用法だ。

 もちろんこの「持ち歩く」は、なにも外出先というだけでなく、ご近所の公園とか部屋の中という意味も含まれている。すなわち「場所を選ばない」というニュアンスで捉えて頂ければいいだろう。

 実際のところ、腰を据えて作業するという場合には、マウスとキーボードと言う従来からのスタイルの方が作業効率ははるかにイイ。Illustrator CS というツールそのものが、スケッチブックを持って外でお絵描き、という性質のものではなく、作業場で製図台を使ってキッチリ描くというような性質の持ち主なんだから、それは当たり前のことだとおもうし、InDesign CS に至っては、基本的にデスクワークだ。

 でも例えば打ち合わせ時にクライアントといっしょに、作業中のデザインやイラストの画面を見ながら操作して、ココはこんな感じにしてみましょうとか、こんなイメージでどうだろうとか、ピュアタブレットスタイルにして手渡しして見てもらう。そんなプレゼンテーション的な使い方にはとても便利。

作画途中のイラストの、カラーリングのシミュレーション
レイアウト途中のデータを持ち運んで打ち合せ、というシチュエーションなら、タブレットPCのメリットが存分に活かされる。Illustrator CSやPhotoshop CSとの連携が極めてラクチンなのはInDesign CSならでは

 したがって Illustrator CS や InDesign CS をタブレットPCで使うと言うのは、普段は自分の仕事場で腰を据えて作業して、いざとなればバッグに詰め込み外出先でプレゼンテーションもできる、便利な持ち運びのできる作業スペース、という感じになるのだろう。

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