OneNoteはその間口の広さゆえに、今イチ用途や活用法をイメージできないという人もいるだろう。OneNoteは一言で言えば、無限大の用途に対応できるデジタルノートソフトである。OneNoteで日記を書いてもよいし、デジタルカメラで撮影した写真を貼り付けてアルバム風にしてもよい。文房具のノートと同様に、それをどう使い、何を書き込むかはユーザー次第なのだ。
OneNoteはこのようにユニークな性格のツールであるが、タブレットPCと組み合わせて使うとさらに便利になる。例えば、クライアントとの打ち合わせや社内会議などに使用すると、非常に分かりやすい議事録・防備録を作り上げることができる。
打ち合わせや会議の席でやり取りされる内容は、文字で記述できるものだけではない。グラフやチャート、概念図など、通常のノートPCでは手に負えない情報が頻繁に出てくるのが普通だ。このため、打ち合わせや会議の席にノートPCを持ち込んでいる人でも、それらが出てきた場合に備えて、ペンとノートも持って行くのが普通である。
しかしタブレットPC+OneNoteなら、文字化できるものはキーボードからのテキストデータとして、グラフやチャート、概念図などはペン書きの画像データとして、リアルタイムで素早く入力できる。もちろん文字もペン書きできるので、キーボード入力したテキストに補足のメモを追加したり、重要部分に下線を引いて目立たせることも可能だ。
このほかOneNoteは、録音機能も備えている。打ち合わせや会議では、「言った」「言わない」の感情的な水掛け論で時間が無駄になってしまうこともある。しかしOneNoteで録音しておけばあとからも事実確認が行えるので、不毛な時間の浪費を抑制できる。
このようにタブレットPCとOfficeシリーズを連携させることによって、通常のノートPCでは不可能な使いこなしが実現できる。
しかし、当然のことだが、Officeシリーズだけで仕事が完了するわけではない。これまで見てきたようにタブレットPCのインク機能はとても便利で効果的だが、インク機能に対応していないビジネスソフトをよく使用しているユーザーも多いだろう。
そうしたケースに便利なのが、「Journalノートライタ」だ。Journalノートライタは、「インク機能に対応していないアプリケーションでもインク描画を可能にするための機能」と考えると分かりやすい。
Journalノートライタは、タブレットPCに標準付属している簡易デジタルノートソフト「Windows Journal」で読み書きできる形式でファイルを出力(印刷)するための仮想プリンタドライバだ。具体的には、Webブラウザで表示しているWebページや、グラフィックソフトで描いたイラスト、DTPソフトで組んだページレイアウトなどを紙に印刷するのと同様の手順で、それらをWindows Journal形式でファイル出力できるのである。
Journalノートライタで出力したファイルをWindows Journalで開けば、タブレットPCのインク機能を利用して文字や図などが書き込める。この機能によって、Officeシリーズに限らず他の多くのビジネスソフトでも、タブレットPCの特長を生かせるようになるわけだ。
インク機能を利用して書き込んだ情報は印刷して共有できるほか、マイクロソフトが無償配布している「Windows Journal Viewer」をインストールしておけば、通常のノートPCやデスクトップPCでも、文字や図などが書き込まれたWindows Journal形式のファイルをそのまま開いて閲覧することが可能だ。
これまで見てきたようにタブレット機能を活かした使い方をすることで、これまでのPCには真似できない、タブレットPCならではの使いこなしが可能になるのだ。
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