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2007年09月14日 10時00分 更新

ナナオイズム:

第2回 EIZOディスプレイ工場は進化し続ける――さらなる高品質と顧客満足を求めて (2/3)

EIZOクオリティを支える品質管理とサポート

 先に紹介した製造現場と密接に連携し、製品の品質を継続的に高めていく役割を担っているのが、ナナオ本社で全般的な品質管理を統括する品質保証部だ。そして、ユーザーからの問い合わせ窓口となるサポート部門のエイゾーサポートネットワークもまた、品質保証部と深く結びついている。ここからは、EIZOクオリティを陰で支える品質管理とサポートについて、ナナオ品質保証部次長の番匠秀樹氏とエイゾーサポートネットワーク統括部次長の宮保豊氏に話を聞いた。

自らに高い目標を課すことが品質管理の使命

tm0708hs16.jpg ナナオ品質保証部次長の番匠秀樹氏

――まずは品質保証部門の業務内容を教えてください。

番匠 品質保証部は、「技術管理課」「信頼性保証課」「品質保証課」の3つの課と、「品質システムグループ」という名の1つのグループがあります。これら4つの部署により、製品の品質保証および社内品質システムの維持向上、つまりEIZOクオリティを継続的に高めていく努力をしています。

 技術管理課は、EMC関連および世界各国の安全規格に製品を適合させるための管理をしています。信頼性保証課は、当社製品の信頼性に関わる基準の制定、および開発段階のハードウェアやソフトウェアに対する試験検証など製品の信頼性全般に関わる業務を行っています。品質保証課は、液晶ディスプレイで最も重要な画面性能に関する評価業務、および製造段階から出荷後も含めたすべての品質管理を統括しています。製造工程でトラブルが発生した場合や、お客様から不具合の問い合わせをいただいた場合は、品質保証課が主管となり対応します。そして品質システムグループは、当社の品質マネージメントシステムの維持改善を行っています。

――品質管理におけるナナオの強みはどこにありますか?

番匠 1つめに挙げられるのは、国内での自社一貫生産です。たとえば、液晶ディスプレイの基板は、本社から車を一時間ほど走らせた羽咋にあるエイゾーナナオエムエスという100%子会社で製造しています。こうした基板アセンブリでの作り込みから製品の完成までを自社で一貫して行っているのが強みになるでしょう。こうした一貫生産では、生産における川上から川下までの情報が品質保証部に随時入ってくるため、何か問題が発生しても、全体を見渡したうえですばやく正常な状態に戻せます。

 2つめにはサポート体制が挙げられます。サポートを担当するエイゾーサポートネットワークは100%子会社で、本社内にオフィスを構えていることもあり、両方の風通しは非常にいいです。国内で販売した製品に不具合が発生した場合のサポートに関する情報がタイムリーに品質保証課に入ってきて、これを適切にフィードバックするシステムができあがっているのは、お客様に対してアピールできる点だと思います。

tm0708hs17.jpgtm0708hs18.jpg 品質保証部の業務で使われるテストルーム。長期間の運用でどのように性能が変化するのかを検証するライフテストルームでは、過去に発売された製品の通電テストが継続されている(写真=左)。各種部品の調査を行う分析室は、特殊な用途で使われる機材が設置されており、不具合の特定に役立つ(写真=右)

――5年間という長期保証を標準で付加しているのはなぜでしょうか?

番匠 ディスプレイの5年間保証(パネルは3年間保証)は、4年前の2003年6月から導入したものです。それまでは3年間保証だったわけですが、当時は1年間保証が一般的だったので、以前から他社より保証期間が長かったと記憶しています。

 とはいえ、そこで満足していては先に進めません。我々はお客様が製品を長く安心して使っていただけるように、さまざまな評価や試験を行い、性能を上げてから量産を開始しています。また、毎年新たな品質管理の目標を定め、それを達成するために、開発陣を含めた全員が注力している状況です。そういった結果が信頼性の向上に通じるわけですが、実際には購入して長期間使用してみないと、信頼性についてご理解いただくのは困難でしょう。そこで、我々は品質管理に取り組んできた結果を率直にお客様に伝えるため、5年間保証を標準化しました。

 残念ながら細かいデータはお出しできませんが、初期不良や不具合が多ければ、保証期間を長く設定することはできません。5年間保証を継続して行っていることで、ある水準以上の信頼度を確保していることはご理解いただけるかと思います。

――ディスプレイを構成するパーツには個体差が発生しますが、それはどのようにカバーしているのでしょうか?

番匠 ほかの主要なディスプレイメーカーと同様に、我々は液晶パネルユニットをパネルメーカーから調達しています。アセンブリメーカーであるということは、作りたいモデルの作りたい性能にベストなパーツを選択できるという強みがあります。そこで我々は、各社最新のパネルを入手し、製品によって最適なものを選択するようにしています。

 パーツの選択が終われば、試作機の量産過程に入るわけですが、ここでも液晶パネルの個体差による色や輝度を1台1台補正しています。調達した液晶パネルをそのまま組み込んだ状態では、色も輝度もバラバラです。そこで、調整と検査が重要になるわけです。また、どの色温度に設定してもガンマ特性がしっかり出せるようにチューニングしているのも、ナナオのディスプレイにおける特徴です。これはFlexScanの話で、特定用途向けのディスプレイでは、より詳細な調整と検査を行っています。

 こうしたパーツの選定、生産時の調整、検査によって、パーツの個体差をできるだけカバーしているわけです。個体差というものは、製品の性能が上がっていってもゼロにはなりませんが、そのバラツキは従来より少なくなっています。

tm0708hs19.jpgtm0708hs20.jpg 製品から放出される電磁波を約10メートル離れた場所から測定できる電波暗室(写真=左)。電波暗室の様子は隣りの部屋でモニターする(写真=右)

――海外に出荷しているモデルの品質管理で国内と違う点はありますか?

番匠 我々の考え方は、出荷する国別にそれぞれの基準を満たした製品を展開するのではなく、最初から各国でいちばん厳しい基準と規格に対して、すべて対応した製品を国内外に展開するというものです。いわば「厳しいとこ取り」になります。

 さらに、独自にリサイクル材料を使用したり、パワーセーブ時の待機電力を低減したりといった環境に対する自主基準「EEP(EIZO Eco Products)2006」を設け、一般的に守らなくてはいけないRoHSなど、各国の規格より厳しい目で製品を作っています。このEEPはだいたい2年おきに自主認定要項を変え、より厳しいものにしています。

――不具合時の対応については、どのようなフローで行われるのでしょうか?

番匠 ひとくちに不具合といっても、実にさまざまなケースがあるので、難しいですね。製造工程における製造番号から、部品単位で管理し、迅速に原因究明をするようにしていますが、我々にルーチンワークはありません。ただ、いつもと異なる事象が発生した場合には必ず原因があると考えており、それを必ず突き止め、適切な処置を行わなければいけない、という考えで対応しています。

――品質管理における今後の課題を聞かせてください。

番匠 品質管理の徹底という意味では、まだまだ不十分だと思っています。残念ながら今後も不具合が完全になくなることはないでしょう。仕事はやればやるだけあるのです。このように終わりが見えない業務で、明確に自分たちのターゲットを作り、そこに向かって自発的に動いていくことが課題になります。

 直近の話をしますと、医療やグラフィックス関連の市場では、各団体が規格や基準を作成している段階にあります。それらが次第に確立されていく中で、我々としてもさらなる品質、性能、信頼性を確立していかなければならないと考えています。

[PR/ITmedia]

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提供:株式会社ナナオ
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年3月31日

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