これはドキュメントスキャナの“省スペース革命”だ!――キヤノン「imageFORMULA DR-C125」徹底検証カラー毎分25枚+ダブらんスキャン+新デザイン(1/4 ページ)

机上でコンパクトに設置できる小型のドキュメントスキャナが受けているが、実際に使う場合は、周囲を片付けて、排紙トレイをグイッと手前に伸ばして……と、意外に手間がかかり、文書の電子化がそのうち面倒になってしまうことも少なくない。すべてのドキュメントスキャナが持つこの課題に対して、キヤノンが1つの回答を出してきた。その驚くべき内容とは?

» 2011年06月08日 13時45分 公開
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キヤノン入魂の新発想ドキュメントスキャナ

 文書の電子化によるペーパーレス化をはじめ、電子書籍の市場拡大、スマートフォンやタブレット端末の普及といったトレンドを背景に、ここ数年でドキュメントスキャナの人気が急速に高まっている。

 ほんの数年前までは、スキャナと聞くと写真向けのフラットベッド方式を思い浮かべる人が多かっただろうが、最近では設置面積が小さく、複数枚の原稿を一括して読み取れる利便性の高さから、ビジネス層でデスクサイドにシートフィード方式のドキュメントスキャナを求める声が増えてきた。ホームユースにおいても、ためこんだ書物の電子化(いわゆる“自炊”)需要や操作の簡便さが注目され、着実に販売台数を伸ばしている。

 さて、このシートフィード方式を採用したドキュメントスキャナの新モデル「DR-C125」が、2011年7月上旬にキヤノンから発売される。モノクロでもカラーでも片面25枚/分、両面50面/分のスキャン(A4縦/200dpi)に対応したA4ドキュメントスキャナの主力製品として、キヤノンがパーソナルワークグループや個人ユーザー向けに満を持して送り込む新機種だ。開発はキヤノン電子が行い、キヤノンのドキュメントスキャナ「imageFORMULA」シリーズから登場する。

キヤノンの新型A4ドキュメントスキャナ「imageFORMULA DR-C125」。見た目からして、これまでのスキャナと違うようだが……

 imageFORMULAシリーズといえば、ネットワークスキャナやA3対応機、高速モデルなど幅広いラインアップを誇るが、中でも2009年10月に発売された小型ドキュメントスキャナ「DR-150」は独創的で記憶に新しい。DR-150は光沢ブラックの小型軽量ボディとUSBバスパワー駆動を実現した新しいスタイルのドキュメントスキャナだったが、今回の「DR-C125」も他機種とは大きく異なる特徴をいくつも盛り込んできた。

 今回はその実力をじっくりチェックしていこう。

“使用時も省スペース”を実現する独自の「ラウンド・スキャン」

ファイルを斜めに立てかけたような独特のデザインで奥行きの短いボディを実現。カラーはマット調ブラックを基調に、シルバーと電源ボタンのブルーが映える

 第1に目を引くのは、そのボディデザインだ。一見しただけで、これまでのドキュメントスキャナとは完全に違うのが分かる、縦長のフォルムに仕上がっている。カラーリングもマット調のブラックを基調に、アクセントとして前面に大きくシルバーを加え、青色LEDも添えるなど、少し前までの事務機器の延長線上にあったドキュメントスキャナのイメージから、いい意味でかけ離れており、洗練された印象だ。

 このデザインで最も大きな特徴はシルバーのフロントトレイだ。使用時は手前にグイッと開くのかと思いきや、驚くべきことに、この格好のままでスキャンできる。天面の給紙トレイから搬送される原稿は内部で「U」の字を描き、縦向きのままシルバーのトレイ内側に排紙されるのだ。このU字パスによる搬送方式をキヤノンでは「ラウンド・スキャン」と呼んでいる。

 U字パスと言葉でいってしまえば簡単だが、重力に抵抗し、ともすれば紙詰まりを誘うような搬送機構なだけに、その開発は非常に困難だったことだろう。それでもあえて投入した理由は、作業環境の“徹底した省スペース化”のためだ。

 従来のように排紙トレイを手前に引き出し、水平に紙を排出する方式では、スキャンを行う前に排紙トレイ手前の物を片付けて、排紙スペースを確保しなければならない。つまり、未使用時に比べて、使用時はどうしても専用面積が前方に大きく広がってしまい、使い始めるまでの準備に時間がかかることもある。

 しかし、ラウンド・スキャンならば、前面に排紙トレイが伸びることなく運用できてしまう。DR-150ではボディを小型にすることで省スペース化したが、DR-C125は搬送機構の大胆な変更により、“未使用時と使用時で前方スペースの専有面積が変わらない”という画期的な作業スペースの縮小に成功したのだ。従来ならば排紙用に確保しなければならなかったスペースに、書類やドリンクなどを置けるのは実に気分がいい。

A4原稿をスキャンする場合、天面のカバーを開き、トレイとV字型のペーパーサポートを引き出す(写真=左/中央)。名刺やはがきをスキャンするならば、V字型のペーパーサポートまで引き出す必要はない。A4原稿を複数枚スキャンする際は、透明な排紙トレイのペーパーサポートを引き出すと、排紙が安定する(写真=右)。細かいところだが、透明なパーツをわざわざ使っているところに、デザインへの並々ならぬこだわりが感じられる

付属のDVDからドライバ/ソフトウェアをインストールしたWindows PCもしくはMacと接続をした後は、用紙をセットし、本体のスキャンボタンを押すだけで、原稿の読み取りがすぐに始まる(写真=左)。ラウンド・スキャンの採用によって、原稿はU字を描いてフロントトレイの内側に真っすぐ排紙される(写真=中央/右)

給紙トレイを全展開した状態。後方の斜め上にトレイが伸びるだけなので、未使用時とフットプリントが変わらない

 本体サイズはトレイ収納時で300(幅)×156(奥行き)×217(高さ)ミリ、トレイ全開時で300(幅)×235(奥行き)×336(高さ)ミリだ。使用時には後方斜め上に給紙トレイが伸びるものの、前方に排紙トレイが伸びないため、机上を広く使える。重量も約2.6キロにまとまっており、屋内を手軽に持ち運べる。このクラスの卓上ドキュメントスキャナとしては実にコンパクトなボディだ。

 もちろん、ラウンド・スキャンの採用による仕様上の後退はなく、給紙と排紙は安定して高速に行える。強いていえば、トレイの積載量が約30枚(従来機に相当する「DR-2510C」「DR-2010C」は約50枚)になっているが、よほど大量の文書を一度にスキャンするのでなければ、困ることはないはずだ。

 DR-C125では、排出された紙がシルバーのトレイ内にきちんとストックされるので、手前にバラバラと散らばってしまいがちな他機種に比べて、作業中に気が散ることがなく、まとまった紙文書をスキャンした後に整理する作業はむしろやりやすいだろう。

側面にはラウンド・スキャンをイメージさせる鏡面仕上げのU字型パーツがあしらわれている。本体左側面には、周囲よりくぼんだ位置にACアダプタ接続端子やUSB端子を備え、排紙方向を切り替えるレバーなども用意する(写真=左)。本体右側面には盗難防止ロック用コネクタを配置(写真=中央)。PCや電源コンセントの位置が本体の左側の場合、接続したケーブルを背面の溝に合わせて通すことで、ケーブルをちらかさずに設置できる(写真=右)

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