なんで“ネット動画”がここまでキレイなの?――新次元エンタメ液晶「FORIS FS2332」の秘密「ニコ動」で人気の3D CGクリエイターも食い付いた(2/3 ページ)

» 2011年07月04日 10時00分 公開
[ITmedia]
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ネット動画からBDまで「Smart Resolution」を堪能

FS2332の画質をチェックするIKEDA氏

 まず最初にIKEDA氏が2台の液晶ディスプレイに表示したのは、自身がニコニコ動画に投稿した「CORRUPTIONGARDEN-3DPV」だ。これをWebブラウザ上で拡大表示せずに低解像度の状態で再生してみると、ほんの数秒で動画の周囲にピンク色の枠が表示された。Smart Resolutionの動画領域補正が正しく動作した証拠だ。

 次に、そのままウィンドウをドラッグ&ドロップで移動しても、数秒後にはしっかりピンク色の枠が移動して付いてくることを確認。リアルタイムで動画領域を検出しているため、ウィンドウの位置を移動しても、後から追従してくるというわけだ。これにはIKEDA氏も思わず「へぇ、こりゃすごい」と声が出る。

 そして、動画領域の中央に黄色のラインが来るように、ウィンドウの位置を調整し、超解像の適用前(画面右)と適用後(画面左)を見比べると、その効果はまさに一目瞭然(りょうぜん)だ。低解像度でぼんやりしていた像が細部までクッキリと描かれ、薄絹のヴェールが1枚脱げたような、まさに解像度が一段上がったような印象を受ける。

 「これは作った本人だからよく分かりますが、細かい部分どころか、もう全然違いますね。全体に引き締まった感じがしていいです。特に服のシワとか、輪郭がすごいなぁ」と、IKEDA氏も予想以上の効果に驚いた様子だ。

ニコニコ動画で「CORRUPTIONGARDEN-3DPV」(動画は前ページで紹介)を再生。動画領域補正により、動画部分だけピンク色の枠で囲まれた。超解像の適用前(画面右)と適用後(画面左)を見比べると、適用後のほうが明らかに細部までクッキリしているのが分かる

 さらに、隣に並べた前モデルのFS2331と見比べると、FS2332の進化が分かる。FS2331は画面全体の解像感が強調されるため、ニコニコ動画の映像内を流れるコメントや、動画領域の外側にあるブラウザの文字といったテキストデータまでも輪郭が誇張されてしまい、やや不自然にシャープネスがかかって読みにくく感じられるが、FS2332は自動判定による動画領域補正と文字補正の強力な組み合わせにより、映像内の弾幕コメントも動画領域の外側にあるブラウザの文字も自然で読みやすい。IPS方式による視野角の広さ(色の変わらなさ)も2台並べて横から見ると実感できる。

 PC環境でニコニコ動画やYouTubeといったネット動画共有サービスを利用する場合、映像コンテンツを全画面表示せず、ブラウザの枠内でそのまま再生することは多いと思うが、こうしたシーンで映像自体はもちろん、映像内の字幕やコメントも、そして動画領域外のテキスト部分までも、すべて自動判定で見栄えよく処理してくれる液晶ディスプレイは他に類を見ない。確かに、ナナオが語る通り、FS2332はネット動画の再生に最適な超解像技術を備えているといえる。

文字補正のオン(上)とオフ(下)。文字補正をオンにすると、画面内のテキストコンテンツを自動判別して、超解像処理をしないようにする。オフの状態では、文字のエッジが不自然に太く強調され、少し読みにくくなってしまう

 IKEDA氏もその効果が気に入ったそうで、「マウスのポインタは動画と見なしたりしないですし、これはもう謎の技術ですよ。ディスプレイで動画部分だけを自動判定して、そこだけ処理するとか、もうそんな時代が来ていたんですね。とにかくWebブラウザでのニコニコ動画やYouTubeは見やすいです。自分の作品以外も気に入っている動画がたくさんあるんで、試してみていいですか」と語りながら、自身の作品だけでなく、ニコニコ動画やYouTubeで人気の動画を次々と再生して、その効果を楽しんでいた。

 ちなみに、超解像の強度は付属のコンパクトなカード型リモコンで手軽に変更でき、5段階に調整できるが、IKEDA氏は「普通のネット動画は、ちょっとだけ強めの2〜3くらいが、クッキリしていいと思いますね」とのこと。ただ、人の肌はほかの部分に比べ、その変化を敏感に感じやすい部分なので、一般に超解像処理が強いと不自然さが目立ちやすくなってしまう。その点、Smart Resolutionの肌補正技術は肌色の領域を検出し、超解像の適用を除外するので、超解像の強度を上げていっても、人物の顔が強調されて怖くなったり、肌荒れがきつくなってしまうようなことがないので、安心して試せる。

肌補正のオン(左)とオフ(右)。肌補正をオンにすると、肌色を自動検出して、余計な超解像処理をしないようにする。肌補正がオフの状態だと、周囲と同じように顔に陰影が付きすぎて、不自然になってしまうこともある。画像は「CORRUPTION GARDEN featuring 巡音ルカ」のCGギャラリー収録

OSDメニューを起動し、「詳細設定」の「Smart Resolution」を選択すると、5段階の強度(レベル)、肌補正、文字補正、動画領域補正のそれぞれのオン/オフを切り替えられる

 動画領域補正の効果が十分確認できたので、次はフルスクリーンでの視聴環境を想定して、映像自体の画質も上げ、DVD並の映像やBlu-ray Discの映像を全画面表示してみる。すると、もともと解像感がある程度は高いと思っていた映像でも、Smart Resolutionの超解像効果によって、ディテールが生き生きと表に出てきた。

 IKEDA氏は「ネットの低解像度の動画でも、見た目で1.5倍くらいは解像度が上がるような感覚ですが、元がDVDならば、もうBlu-rayを見ているような気分になってきますね。さらに細かい部分までシャキッと見えてくるのは、やはり個人的に好きです」との感想だった。

元画像の解像度が高い場合でも、超解像処理によって情報量が上がって見える。超解像処理が適用された画面左半分では、髪の毛の質感、服の細かなしわや陰影といったディテールが、より精細に表示されているのが分かる。また、肌補正により、顔の表情や肌が荒れて見えることはない。画像は「CORRUPTION GARDEN featuring 巡音ルカ」のCGギャラリー収録


超解像の強度による見え方の違い。上段左からオフ、レベル1、レベル2、下段左からレベル3、レベル4、レベル5だ。画像は「CORRUPTION GARDEN featuring 巡音ルカ」のCGギャラリー収録

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